第5回 解決志向アプローチをベースにした面接:不登校ケース

 身長160cm、体重38kg、超が付くほどの細身の体をさらに小さく丸めるようにして、中学2年生のヒロシが椅子に座っていました。隣には、同じように痩身で疲労感の漂う母が座っていました。不登校を理由に相談にやってきた母子です。初回面接の後、2週間が経過し2回目の面接にやってきました。初回の緊張感こそありませんが、自己主張少なくひっそりとたたずむ雰囲気です。  病気で倒れた父を介護しながら、借金返済のために働き続けてきた母。父が入院し、二人の姉が働き始めたことで、ようやくひと息つく間ができました。家族の余力がない間、声を潜め背を丸め密かに順番が来るのを待っていたかのようなヒロシの不登校に光が当たり始めました。中学1年生の夏休み明けから続…