フッ化物配合歯磨剤 – 歯・口腔の健康シリーズ
フッ化物配合歯磨剤は、フッ化物(モノフルオロリン酸ナトリウム・フッ化ナトリウム・フッ化第一スズ)を含む歯磨き剤です。幼児から高齢者まで生涯を通じて家庭で利用できる身近なフッ化物応用で、世界で最も利用人口が多い方法です。日本の市場占有率は欧米にかなり遅れたものの、2004年には88%に達しています。日常的に適量のフッ化物配合歯磨剤を使って歯磨きをすることにより、口腔内にフッ化物を供給しむし歯を予防します。
この歯磨剤は医薬部外品で、効能・効果として「むし歯の発生および進行の予防」の記載が薬事法で認められています。日本では、薬事法にかかる承認基準で、フッ化物イオン濃度は1,000ppm以下に定められています。950ppm程度が殆どで、子ども用として500ppmと100ppmがあります。
フッ化物配合歯磨剤の予防効果
世界的で報告数が最も多い予防率は30~40%です。また、成人・高齢者の根面むし歯に対して67%の予防効果が報告されています。歯磨剤は他のフッ化物応用とかさねて使う機会が多くなります。
フッ化物歯面塗布との複合応用によって、歯面塗布のみの群に比べ乳歯むし歯の減少率65%が認められています。フッ化物配合歯磨剤の予防効果を十分に発揮させるためには、適正な量(上記表)の歯磨剤を用いて、歯磨き後のうがいは10~15mlの水で1回うがいをします。その後1~2時間は飲食を控えます。
特に就寝前に使うと効果的です。また歯磨剤をつけないブラッシング(から磨き)を好む人は、から磨きを行った後にフッ化物配合歯磨剤をつけて歯全体に行き渡らせる程度に磨く方法が適しています(ダブルブラッシング)。
フッ化物配合歯磨剤の年齢別応用量
低年齢児におけるフッ化物配合歯磨剤の利用
長期にわたるフッ化物の反復投与(暴露)による過量摂取から生じる慢性中毒症に、歯のフッ素症と骨フッ素症があります。歯のフッ素症は、エナメル質の石灰化期間に過量のフッ化物を継続的に摂取した場合に生ずる特異的な歯の形成障害で、エナメル質に審美上の変化(不透明な縞模様・境界不明瞭の白斑・白濁など)があらわれ、中等度になると歯面全体にわたってチョーク様に白濁します。
歯のフッ素症発現のリスクは幼児期(6歳以下)に集中します。特に審美的に問題となる上顎中切歯が歯のフッ素症にかかりやすい臨界期は1歳から3歳の間です。この時期にフッ化物の摂取が過量にならないように注意が必要です。
フッ化物の全身応用が普及している国では、幼児に対して、使用量・歯磨き後のすすぎ方・口腔内残留量などに細心の注意が払われています。
日本では実施されていないので過度な心配は不要ですが、吐き出しのできない1歳から3歳未満児には、ジェル状・泡状・液体のものの使用をお薦めします。
[adrotate group=”7″]
[adrotate group=”8″]
メンバー限定(登録は無料)のコンテンツとなります。
[adrotate group="7"] [adrotate group="8"]