SFTS(重症熱性血小板減少症候群) – ダニ媒介感染症シリーズ

SFTS(重症熱性血小板減少症候群)  - ほけんだよりプラス - ダニ媒介感染症シリーズ
ダニ媒介性の新しい感染症SFTS(severe fever with thrombocytopenia syndrome:重症熱性血小板減少症候群)が、日本国内でも発生しています。SFTSは、2011年に中国において新しい感染症として流行し、日本や韓国でも患者が発生しています。病原体は、SFTSウイルスであることが確認されました。主な初期症状は発熱、全身倦怠感、消化器症状で、重症化し、死亡することもあります。日本では、2013年1月、SFTSの患者(2012年秋に死亡)が国内で初めて確認されて以降、毎年60名前後の患者が報告されています。日本で見つかったSFTSウイルスの遺伝子の特徴は、中国の流行地域のものとは異なっており、日本のSFTSウイルスは、最近中国から入ってきたものではなく、以前から日本国内に存在していたと考えられます。

SFTS(重症熱性血小板減少症候群) の症状

SFTSにかかると、発熱、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)が出現します。時に頭痛、筋肉痛、神経症状(意識障害、けいれん、昏睡)、リンパ節腫脹、呼吸不全症状、出血症状(歯肉出血、紫斑、下血)が出現します。潜伏期間は、マダニに咬まれてから6日~2週間程度とされています。ヒトからヒトへの感染事例(患者から医療従事者への感染)の潜伏期間は、より短い場合があります。なお日本では、届出時点の情報で178名の報告のうち35名が死亡しています(2014-16年の感染症発生動向調査)。日本でのSFTSの致命率は約20%です。

SFTS(重症熱性血小板減少症候群) の病原体

中国では、フタトゲチマダニやオウシマダニといったマダニ類からSFTSウイルスが見つかっています。また、韓国でもフタトゲチマダニがSFTSウイルスを保有しているとの報告があります。日本には、命名されているものだけで47種のマダニが生息するとされていますが、これまでに実施された調査の結果、複数のマダニ種(フタトゲチマダニ、ヒゲナガマダニ、オオトゲチマダニ、キチマダニ、タカサゴキララマダニ)からSFTSウイルスの遺伝子が検出されています。日本ではフタトゲチマダニとタカサゴキララマダニがヒトへの感染に関与しています。

フタトゲチマダニ

SFTS(重症熱性血小板減少症候群) の治療・予防


SFTSに有効な抗ウイルス薬等の特異的な治療法はありません。マダニに咬まれないように気をつけることが重要です。特にマダニの活動が盛んな春から秋にかけては、マダニに咬まれる危険性が高まります。草むらや藪など、マダニが多く生息する場所に入る場合には、長袖・長ズボン(シャツの裾はズボンの中に、ズボンの裾は靴下や長靴の中に入れる、または登山用スパッツを着用する)、足を完全に覆う靴(サンダル等は避ける)、帽子、手袋を着用し、首にタオルを巻く等、肌の露出を少なくすることが大事です。服は、明るい色のもの(マダニを目視で確認しやすい)がお薦めです。DEET(ディート)という成分を含む虫除け剤の中には服の上から用いるタイプがあり、補助的な効果があると言われています。また、屋外活動後は入浴し、マダニに刺されていないか確認して下さい。マダニ類の多くは、ヒトや動物に取り付くと、皮膚にしっかりと口器を突き刺し、長時間吸血しますが、咬まれたことに気がつかない場合も多いと言われています。吸血中のマダニに気が付いた際、無理に引き抜こうとするとマダニの一部が皮膚内に残って化膿したり、マダニの体液を逆流させてしまったりする恐れがあるので、医療機関でマダニの除去や洗浄などをしてもらってください。また、発熱等の症状が認められた場合は医療機関で診察を受けて下さい。



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