日本紅斑熱(にほんこうはんねつ) – ダニ媒介感染症シリーズ

紅斑熱群リケッチア症は広く世界に分布し、北米大陸にみられるロッキー山紅斑熱、地中海沿岸にみられる地中海紅斑熱、オーストラリアにみられるクインズランドダニチフスなどがあります。わが国でも1984 年に初めて患者が報告され、日本紅斑熱とよばれるようになりました。日本紅斑熱はダニ媒介性疾患の一つで、キチマダニ、フタトゲチマダニ、ヤマトマダニなどのマダニが媒介し、ヒトが野山に入ったときにこれらのマダニに刺され、感染します。ただし、全てのダニがリケッチアをもつわけではなく、リケッチアをもつ有毒ダニに刺咬されたときにのみ感染します。症例数は1994年まで年間10〜20名程度でしたが、1995年頃より増加に転じ、1999〜2001年には年間40名…