黄熱 – 蚊媒介感染症シリーズ
黄熱は、ジカウイルス感染症やデング熱、日本脳炎などと同様に、黄熱ウイルスを持った蚊が媒介する感染症で、感染したヒトから他のヒトに直接感染するような病気ではありません。また、感染しても全員が発症するわけではなく、症状がないか、軽い症状のみで軽快する場合が大半です。これまで日本国内での感染報告はありませんが、2015年12月以降、アフリカ中部のアンゴラで大規模なアウトブレイクが発生し、隣国のコンゴ民主共和国にも拡大しています。
黄熱の症状
黄熱の潜伏期間は3~6日で、主として発熱、頭痛、悪寒、筋肉痛、背部痛、悪心・嘔吐などで発症します。約15%の発症者で数時間から1日程度の症状の寛解期に続いて、高熱や黄疸、出血傾向が進行し、ショックや多臓器不全になる場合があります。重症化した場合、20-50%の致死率があります。
黄熱の病原体
黄熱の病原体は、フラビウイルス科フラビウイルス属の黄熱ウイルスで、黄熱ウイルスを持った蚊がヒトを吸血することで感染します。感染を媒介する蚊は、日本には常在しないヤブカ属のネッタイシマカです。日本の秋田県および岩手県以南に常在するヒトスジシマカについては、黄熱ウイルスを媒介することができるか否かは分かっていません。
黄熱の予防
黄熱ウイルスに対する有効なワクチンがあり、黄熱を予防することができます。黄熱ワクチンは、黄熱ウイルスの病原性を極めて弱くして作成された生ワクチン(生きたウイルスを含むワクチン)で、接種10日後には90%の接種者で十分な免疫が得られ、接種後14日後にはほぼ100%の予防効果があるとされています。免疫効果はほぼ一生持続すると考えられています。海外の黄熱リスク国・地域に渡航する際は、入国する10日前までに黄熱の予防接種を受けましょう。国によっては、入国に際し、黄熱の予防接種証明書(イエローカード)の提示を求められる場合があります(予防接種証明書は、接種後10日目以降から有効となります)。また、黄熱リスク国・地域では、その他の蚊媒介感染症(デング熱など)の流行もみられることから、蚊に刺されないように注意が必要です。長袖、長ズボンを着用し、蚊の忌避剤(虫よけスプレー)なども利用しましょう。
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