麻しん(はしか)– 学校で予防すべき感染症シリーズ
麻しん(はしか)は、発熱、せきやくしゃみなどの呼吸器症状と特有な発しんの出る感染力の強い疾患です。
肺炎、中耳炎、喉頭炎( クループ)、脳炎などを合併することもまれではありません。ごくまれに感染から数年後に発症する亜急性硬化性全脳炎といわれる致死的な脳炎の原因になることがあります。乳児期後半から幼児期に多い感染症ですが、免疫がなければ、年長児や成人でも感染の危険性があります。WHO(世界保健機構)
は世界からの麻しん排除を目指しており、日本もワクチン接種により急速に発生が減少してきています。
麻しんは、学校保健安全法施行規則で第二種の感染症に分類されています。
麻しん(はしか)の症状
麻しんの典型例では、カタル期*、発しん期、回復期に分けられます。カタル期には眼が充血し、涙やめやにが多くなるほか、くしゃみ、鼻水などの症状と発熱がみられます。
口内の粘膜に特徴的な白い斑点(コプリック斑)が見られるのが診断のポイントとなります。熱が一旦下がりかけ、再び高熱が出てきたときに赤い発しんが生じて発しん期になります。発しんは耳の後ろから顔面にかけて出始め、身体全体に広がります。また、赤い発しんが消えた後に褐色の色素沈着が残るのが特徴です。
発熱は発しん出現後3〜4日持続し、通常7〜9日で回復しますが、重症な経過をとることもあります。急性脳炎は発症1,000 人に1〜2人の頻度で生じ、脳炎や肺炎を合併すると生命の危険や後遺症のおそれもあります。
*カタル期:かぜのような症状が出ている期間
麻しん(はしか)の原因
麻しんの原因は、麻しんウィルス。空気感染、飛沫感染で感染が広がります。
感染期間は発熱出現1〜2日前から発しん出現4 日目頃まで。感染力が最も強いのは、発しん出現前のせきが出始めた頃です。
麻しん(はしか)の予防
麻しん風しん(MR) 混合生ワクチンとして、1歳時に第1期接種、小学校入学前1年間( 年長児) に第2期定期接種(2006年度より)を行います。麻しんワクチンの副反応としての急性脳炎の発症は100万回接種に1人以下と自然感染時に比べ低くなっています。空気感染もするため、学校などの集団の場では、1名が発症した場合、速やかに発病者周辺の児童等の予防接種歴を聴取し、感染拡大防止策をとります。
未接種の場合、患者との接触後、72時間以内であればワクチンにて発症の阻止、あるいは症状の軽減が期待できます。4日以上6日以内であれば免疫グロブリン製剤の投与で症状の軽減が期待できますが、血液製剤であることに注意が必要です。
登校(園)の基準
発しんに伴う発熱が解熱した後3日を経過するまでは出席停止となります。ただし、病状により感染力が強いと認められたときは、更に長期に及ぶ場合もあります。
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