PTSD(心的外傷後ストレス障害) – こころのケアシリーズ
PTSD(Posttraumatic Stress Disorder)とは、心的外傷後ストレス障害のことです。トラウマを体験した後に、何らかのトラウマ反応を示すのは当然のことですが、生活に支障を来すほどの症状が1か月も持続すると、PTSD発症のリスクが高まると考えられています。PTSD発症までにあらわれる症状はASD(Acute Stress Disorder:急性ストレス障害)と呼ばれ、トラウマを体験した人が後にPTSDを発症する可能性を早期に予測するために定義されました。トラウマ体験後の最初の1か月は無症状でも、その後に症状を示す人もいるため注意が必要です。
PTSDの症状
PTSDは、実際に危うく死にそうなできごとを体験したり目撃したりしたあとで、再体験症状・回避症状・過覚醒症状などが、体験後1か月以上にわたって認められ、生活に支障を来している場合に診断されます。最近米国で報告された一般の子供を対象にした疫学調査では、トラウマ体験後に PTSDの診断基準を完全に満たした子供は少なかった(0.5%以下)ことが判明しました。つまり、子供はトラウマ体験後に、部分的にPTSD症状を示したり、その他の様々な病態を併存して示したりすることが多いと考えられています。
PTSDの発症予測因子
最近の報告では、ASD以外のPTSD発症予測因子として、以前のトラウマ体験・精神疾患の病歴・トラウマ体験の重篤度や生命の脅威の程度・社会的支援の不足・トラウマ体験後のストレスなどが挙げられています。教育現場では、生活に支障を来すほどに強いトラウマ反応や症状が出現している子供がいないかどうかを健康観察などによってモニターすると同時に、十分な社会的支援を提供し、子供と家族の様々なストレスを取り除く配慮が求められています。
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