第4回 3つの定型質問(ミラクル・クエスチョン、スケーリング・クエスチョン、コーピング・クエスチョン)
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解決志向アプローチとは、問題点や否定的な側面ではなく、解決に焦点を当てることでそれまでの問題を巡るシステムに変化を与えようという方法です。
解決とは、簡単に言えば「悩みや不適応や心配などの問題が解消された状態」です。それは、「問題がすっかりなくなった状態」もあれば、「問題は残っているが、気にならなくなった」という解決もあります。対人援助者は、クライエントの状態やニーズに応じて解決というゴールを目指します。
その際に、当然のことながら、援助者が勝手にゴールを作るのではなく、クライエントが描く解決像を聞いてゴール設定をしていきます。前回、取り上げた「例外探し」の質問もそれを意図したものでした。たとえば、「そのことで困っておられることはよくわかりました。では、その問題が起きてなくて困っておられないときのことを教えてください」とか「少しでもマシなときはどんなときですか?」などの質問です。問題が常に生じているわけではなく、すでにうまくやっているときがあることに着目し、クライエントに問いかけることでそのことを思い出したり考えたりしてもらい解決像を見出していきます。
「例外探し」の質問によるやりとりは、クライエントがもっている問題のしみこんだストーリー(ドミナント・ストーリー)や置かれた状況に対し、新たな見方を提示することになり、それに替わる新たに再著述されたストーリー(オルタナティブ・ストーリー)や別の状況を生み出すことが期待されます。それが解決にもつながります。
そんな話を前回までにしました。
第3回 解決志向アプローチによる悩み相談:例外探し
スクウェル会員の皆さま、 こころのIBI研へようこそ。 ご意見・ご感想・ご質問はコチラ 「やっかいな問題のある生徒にどう対応したらよいか、ほとほと困っています」 こんな書き出しで始まる、朝日新聞デジタル版の「悩みのるつぼ」の記事が掲載されていました。 職業柄、私も回答者の回答を読む前に、まず自分だったらどう回答するだろうかとしばし考えることがあります。 …
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