第3回 解決志向アプローチによる悩み相談:例外探し
スクウェル会員の皆さま、こころのIBI研へようこそ。
「やっかいな問題のある生徒にどう対応したらよいか、ほとほと困っています」
こんな書き出しで始まる、朝日新聞デジタル版の「悩みのるつぼ」の記事が掲載されていました。
職業柄、私も回答者の回答を読む前に、まず自分だったらどう回答するだろうかとしばし考えることがあります。
そんななか‥うーん?! 教師が、「やっかいな問題のある生徒」「しょせん、よその子」「自分には何ら関わりのない生徒」「いらいらして腹立たしい気持ち」…!!??。まず、この表現に内心びっくりです。
私の経験でも、似たようなことを漏らされる人は少なからずおられました。
たとえば、「私のクラスには、この子以外に34人の子がいるんです。この子ばかりに時間を割くわけにはいかないんです!」「たくさんの生徒を見てきましたが、あの子は特別です。今の学校にいるより特別な学校のある施設に行く方があの子のためです」などが浮かびました。
これらの言い方は、一見、論理的で正当な主張をされているようですが、一方で問題児を否定し排除しようという論理が見えて、残念な気持ちにもなります。その分、背景には、「もう手に負えない、何とかしてほしい」という心の叫びが聞こえてきます。
この記事の相談者の言葉は、むしろ教師の論理とかいうよりも、個人的感情が露わです。ある意味、正直な方です。さぞかし、お困りでお手上げなんだろうなと思います。この困りごとに対し、どんな助言が適当だろうかと考える反面で、「教師の発言としては読者の顰蹙(ひんしゅく)や非難も買うだろうな…」と、内心ハラハラビクビクです。
私がハラハラビクビクする責任は何もないのですが、回答者モードに入っているとそうなります。なにせモードは、天下の朝日新聞(デジタル版)ですからテンションも上がります。相談者の悩みに答えつつ読者にもなるほどと思ってもらえる必要があります。
そんなモードを頭の中でしばし楽しんだ後、回答者の回答を読みます。
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