<福島県> 震災5年…半数「家族が離れ離れ」 避難者意向調査
東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から5年が過ぎた現在も、県内外に避難している県民(自主避難者を含む)の世帯の約半数が、2カ所以上に離れて暮らしていることが20日、県の避難者意向調査で明らかになった。仕事や学校に通う都合で別居せざるを得ない場合が多く、調査が始まった3年前から依然として状況が改善されていないことが浮き彫りとなった。
調査は昨年度行われ、同日県庁で開かれた新生ふくしま復興推進本部会議で示された。震災発生時に一緒に暮らしていた世帯の47.5%が、家族が2カ所以上の場所に離れて暮らしていると答えている。
分散して生活する避難世帯は、2013(平成25)年度に行われた初回調査の48.9%からわずかに減ったが、いまだに半数近い。県は、避難が長引く県民の不安に応えるため、生活支援相談員による見守りや、生活再建に向けた相談支援などを続けているが、分散して暮らさざるを得ない家族への支援は十分とは言えないのが現状だ。
心身の不調を訴える家族がいる世帯も62.1%と、依然として6割を超えた。不安の内容は「自分や家族の健康」が61.6%で最も多く、「住まいのこと」が43.2%、「自分や家族の心の健康」が42.7%と続いた。「避難生活の先行きが見えないこと」「生活資金のこと」は39%だった。
調査は2~3月、5万8018世帯を対象に実施。1万6417世帯が回答し、回収率は32.9%だった。
福島県内避難者34%「戻りたい」。
避難者意向調査では、今後についての考えも示された。県内避難世帯の場合、被災時に住んでいた市町村に戻りたいと答えたのが34.2%で最も多く、現在住む避難先に定住したいとしたのは13.6%だった。県外避難世帯は、避難先に定住する意向を示したのが22.3%で最多。20.6%は「決まっていない」と答え、被災時の市町村に戻りたいとしたのは15.4%。被災時と同じ市町村に戻る条件としては、除染の終了が45.4%、放射線不安の減少が39.2%だった。
仮設や借り上げ住宅に住んでいる世帯は55.3%で前年度より6.8ポイント減った一方、持ち家に住んでいる世帯は25.8%で前年度より6.1ポイント増えた。
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