ランドセル、背負って確認
百貨店などのランドセル商戦が本格化している。色や機能などが多彩になり、選ぶのに困ることも少なくない。専門家は、見た目だけで決めず、実際に背負って確かめるようアドバイスする。
高崎高島屋(群馬県高崎市)で今月、ランドセルについての説明会が開かれた。来春小学校に入学する子どもと家族を対象に定期的に開催している。同市の桑原清二さん(42)は、妻と来春小学1年生になる息子の3人で参加。「私は無難な黒をすすめたが、息子は青が欲しいと言っていて……」と話す。
売り場の担当者で、日本百貨店協会認定のランドセルアドバイザー中里桂子さんは「6年間使うものなので、飽きてしまわないよう、親子で十分に話し合って」と助言。こうした場合、黒と青の中間色や、黒に青のラインが引かれたタイプを選ぶこともすすめている。
ランドセルの色や素材、機能は多様化が進んでいる。人気の色は、男児は黒やネイビー、グリーンなど、女児はピンクや赤、紫など。素材は、天然皮革より軽くて雨に強く、デザインが豊富な人工皮革が全体の7~8割を占める。飾りにラインストーンやリボンがついていたり、車のライトで光る反射材が施されていたりするタイプもある。同店では、約6万3000~6万5000円が主流という。
中里さんは、「体形によって背負ったときの感じ方が違う。実際に背負って確認を」と話す。
ポイントは、まず、肩ベルトの付け根の部分やベルトが体に当たって痛い部分がないかどうかだ。首回りやわきの部分にベルトが食い込んでいないかも確認する。窮屈すぎると疲れの原因になるので、ランドセルと背中の間に、子どもの手のひらが入るくらいのゆとりがあるのがいい。
最近のランドセルの大きさはA4判のクリアファイルなどが入るものが主流だが、古い学校だと、ロッカーに入らないということもある。中里さんは「学校や近所の人に聞くなど事前に調べておくと安心です」と話す。
6年間愛用するために、普段の手入れも心がけたい。日本鞄協会ランドセル工業会(東京)事務局長の内田進さんは「雨などでぬれたら、早めに対処するのが基本です」と話す。天然皮革の場合、そのままにしておくと革が硬くなり、ひび割れの原因になる。人工皮革も、ぬれたらすぐに乾いた布で拭き取り、日陰干しをする。肩ベルトや背当ての部分は、汗でぬれやすいので、同様に対処する。
また、交通安全や傷防止のためのカバーは、できれば1週間に1度、少なくとも1か月に1度外すとよい。つけたままだと通気性が悪く、素材が傷みやすくなるという。
ランドセルを選ぶポイント
- 高価で高機能なタイプが良いとは限らない。実際に背負い、ベルトの状態などをチェックする
- 店頭で背負うときは、薄着の方が、体に接する感覚がわかりやすい。2キロほどの重りを用意している店も多いので、入れて背負う
- 学校のロッカーに入る大きさか、事前に調べておく
- 6年間の修理保証がついたタイプが安心
- 6年間使うことを考慮し、親子で話し合う
[adrotate group=”7″]
[adrotate group=”8″]