映画「聲の形」と文科省タイアップ 障害者理解深める
アニメーション映画「聲の形」(松竹株式会配給社、山田尚子監督)の試写会が9月7日、文科省内で行われた。浅田和伸大臣官房審議官は「この上映会が、障害のある子どもたちの生活やその子を取り巻く人たちへの理解が深まるきっかけとなれば」と述べた。文科省では、同作品とタイアップ。いじめや自殺防止、インクルーシブ教育システムの構築や障害者理解の普及啓発を目的としている。
主人公の少年は、転入してきた聴覚に障害のある少女に好奇心を抱く。だが、ある出来事をきっかけに、周囲から孤立。5年後、高校生になった少年はその少女と再会。これをきっかけに、過去の過ちへの償いを試み、少女や当時のクラスメートと向き合い、理解し、認め合っていく。
固く心を閉ざした少年が、自分の思いを伝え、まわりの人だけでなく、自分自身をも受け入れていく――。
省内で鑑賞した職員の中には、目頭を押さえる男性や女性の姿が見られたほか、「いろいろなタイプのキャラクターがいたから、誰かしらの立場に立って観られました。自分と重なるキャラクターがいて、心がえぐられました」との声が聞かれた。
「聲の形」は9月17日から公開。これに先立ち、特設サイト(http://www.mext.go.jp/koenokatachi/index.htm)が9月2日に公開されている。
松竹株式会社の協力を得て、同省は「勇気をもって 心の声を伝えよう」との施策啓発メッセージを掲載したポスターを作成。全国の小・中・高校、特別支援学校などに各2枚、合計約8万枚を配布する。