第10回 問題行動への対処法①:あなたは「諭す」派?「諭さない」派?
IBI研の第1回目に、熊本地震の被災支援で出会った小2の男の子のケースを紹介しました。面接の中で「僕は震度7ぐらいが楽しい!震度1だと全然おもしろくない。僕揺れるの好きだから」と得意げに言った男の子が、地震でおうちの水槽が壊れ飼っていた魚が死んでしまったことを思いだして、「もう飼えなくなった」としょんぼりうなだれた、というお話でした。この話に【不謹慎?】というタイトルをつけました。大きな被害を受けて辛い思いをしている人がいるのに、「楽しい、好き」などと言うのは不謹慎な発言ではないかというわけです。
そうだとすれば、そこを諭すのが教育です。不謹慎な発言であることを指摘してわからせるべきだとなります。もちろん、諭すと言っても、強く叱るとか厳しく言うとかのレベルで考える必要はありません。男の子の心が傷つかないように優しく配慮しながら指導するレベルを想定すればいいでしょう。つまり、そういうことを言うことはよくないからやめようね、という直接的な指導をすることがそれにあたります。
一方、間接的な指導という方法もあります。前回テーマにしたメタファー(比喩)を使う方法はそれにあたります。ずばり指摘するより、婉曲な含みを入れた伝え方です。いずれも相手とのコミュニケーションのなかで使われるため、どちらがいいかは決められません。
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