感染症基本計画 安全対策の徹底を前提に
ブラジルから帰国した川崎市内の男性と愛知県内の女性が、ジカ熱に感染していた。感染症に国境はない。防疫と検査・治療の態勢整備を急ぐ必要がある。
出典:西日本新聞
政府が初の感染症対策基本計画をまとめた。期間は2020年度までの約5年間だ。発生国などに派遣する医師ら500人の人材確保を柱とした国際支援、国内の防疫、治療・研究の方向性などを示す包括的な計画である。
国内対策で注目されるのは、エボラウイルスなど最も危険な病原体を扱うバイオセーフティーレベル(BSL)4施設を中核とした感染症研究拠点構想だ。政府が近く協議会を設け、BSL4施設の設置を計画している長崎大学に対して「必要な支援を行う」と明記された。
だが、地元には根強い反対の声がある。十分に配慮する必要があるのは言うまでもない。住民の反対で30年以上も稼働が見送られてきた国立感染症研究所村山庁舎(東京都武蔵村山市)の施設が昨年8月、国内で初めてBSL4の指定を受けた。主に感染者の診断や治療を担う。国が長崎大の計画を後押しするのはワクチンなどの開発に向けた研究や研究者の育成を行う最新の施設が必要なためだ。長崎大には感染症研究の蓄積がある。日本学術会議も、地震など大規模災害に備え、複数の地域に建設することが望ましいと提言している。設置予定地は住宅街に隣接するキャンパスだ。万が一、ウイルスが外部に漏れれば、甚大な被害を招く可能性がある。住民が不安を抱くのも無理はない。
国と長崎大には、安全性を幾重にも担保できる計画を立て、積極的な情報公開で住民の幅広い合意を得る努力が求められる。未知の新感染症の入院治療ができる特定感染症指定医療機関も関東、中部、関西に計4施設しかない。九州でも整備を急ぎたい。あくまで国の感染症対策である。BSL4施設の管理・運営の責任も含め、国が前面に出て取り組むことが原則である。
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Schoowell(スクウェル)事務局 一同