母子世帯「社会的孤立」しやすく 滋賀県社協など初調査
母子世帯は、地域に相談相手が少なく、「社会的孤立」の度合いが比較的高いことが、滋賀県の福祉関係の団体などが実施したアンケートで明らかになった。専門家は、人とのつながりを増やす取り組みが必要と指摘している。
■健康状態悪く、未就労ほど高い傾向
県社会福祉協議会などでつくる「滋賀の縁創造実践センター」と県民生委員児童委員協議会連合会が初めて調査した。県内の民生委員が今年4~5月、各地域で母子世帯に調査票を直接配り、790世帯から返送があった。回収率は32%。
社会的なつながりを見るため、家族や友人など身近な相談相手の人数を点数化する手法で計算した。30点満点に対する全体の平均は11・2点で、社会的孤立の度合いが高いとされる12点未満に該当した。母親の健康状態が悪かったり、働いていない家庭ほど孤立度が高かったりした。
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母親の健康状態は19%が「よくない」と答え、正規雇用と非正規雇用がそれぞれ43%ずつだった。朝食を食べない日がある家庭が19%、母子で一緒に夕食をとる日数が週の半分以下という世帯が20%あった。
子育ての心配や悩み事では費用面が最多で56%、子どもの進学や就職が48%だった。相談相手は「自分の親」が65%を占め、行政機関は5%。相談に求める条件では無料が45%で、同じような生活環境の人が37%、自宅や職場への訪問を望むのは4%だった。
調査委員会の委員長を務めた山田容・龍谷大准教授は「回答者は、民生委員が手渡しできた母子世帯なので地域とのつながりが一定あるが、社会的孤立の度合いの高さに驚いた。県内で増えている『子ども食堂』の取り組みなど、新しい地域のつながりを増やすことが重要」としている。
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