腸管出血性大腸菌感染症 – 学校で予防すべき感染症シリーズ

大腸菌検査
ベロ毒素を産生する腸管出血性大腸菌による感染症。全く症状のない人から、腹痛や血便を呈す人まで様々で、合併症として溶血性尿毒症症候群や 脳症を併発し、時には死に至ることもあります。日本では、1997年に学童を中心とした広範な地域での集団感染や2011年に生肉 (ユッケ)、2012年に漬物を原因食とする、死亡例を伴う大規模な集団感染がみられており、毎年3,000例前後の発生が続いています。夏期に多発します。 患者の約80%が15歳以下で発症し、小児と高齢者で重症化しやすい疾患です。
腸管出血性大腸菌感染症は、学校保健安全法施行規則で第二種の感染症に分 類されています

腸管出血性大腸菌感染症の原因

腸管出血性大腸菌感染症の原因は、腸管出血性大腸菌(O-157、O-26、O-111など様々なベロ毒素産生性大腸菌)。熱には弱いのですが、低温条件には強く、水の中では長期間生存します。少量の菌の感染でも腸管内で増殖し、その毒素によって発病します。
大腸菌

大腸菌 O-157、O-26、O-111

腸管出血性大腸菌感染症の症状

腸管出血性大腸菌感染症は、水様下痢便、腹痛、血便などが主な症状。乏尿や出血傾向、意識障害は、溶血性尿毒症症候群や急性脳症の合併を示唆する症状で、このような場合は速やかに医療機関を受診してください。治療は、下痢、腹痛、脱水に対しては水分補給、補液など。また、下痢止め剤は毒素 排出をさまたげる可能性があるので使用しないでください。抗菌薬は時に症状を悪化させることもあり、慎重に使うなどの方針が決められています

腸管出血性大腸菌感染症の予防

腸管出血性大腸菌感染症の予防は、手洗いの励行、消毒(トイレ等)、および食品加熱と十分に洗うことなどです。特に小児では、発症した場合重 症化につながりやすいので、牛に限らず、豚・鳥及びその他鳥獣の肉や レバー類の生食は避けるべきでです。肉などを食べさせる場合は、中まで火が通り肉汁が透き通るまで調理しましょう。加熱前の生肉などを調理したあとは、必ず手をよく洗います。生肉などの調理に使用したまな 板や包丁は、そのまま生で食べる食材(野菜など)の調理に使用しないようにしましょう。調理に使用した箸は、そのまま食べるときに使用しないようにしましょう。接触感染、経口感染で伝染します。生肉などの飲食物から感染し、少ない菌量(100個程度)でも感染します。便中に菌が排出されている間は感染力があります。ワクチンはありません。

登校(園)の基準

有症状者の場合には、医師が感染のおそれがないと認めるまで出席停止となります。無症状病原体保有者の場合には、トイレでの排泄習慣が確立している5歳以上の小児は出席停止の必要はありません。5歳未満の小児では、2回以上連続で便培養が陰性になれば登校(園)できます。手洗い等の一般的な 予防法の励行で二次感染は防止できます。
子どもたちのイラスト


Schoowell(スクウェル)に無料会員登録しませんか?

ほけんだより - 腸管出血性大腸菌感染症
Schoowellでは、健康に関するテーマを毎回設け、テーマに関する重要事項の解説、最新情報などイラストを使用し、わかりやすく解説しています。
Schoowellの登録会員様には、A4サイズのPDFでダウンロードすることもでき掲示板への掲載や生徒へ配布等ご使用できます。

皆様のご登録をお待ちしております。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう