クドア – 寄生虫シリーズ

クドア - ほけんだよりプラス - 寄生虫シリーズ
クドアは、ヒラメに寄生するクドア属の寄生虫、粘液胞子虫の一種です。4~5年前から、食後数時間程度(最短2時間)で一過性の嘔吐や下痢を起こし、軽症で終わる事例の増加傾向が指摘されていましたが、多くの場合、病因物質不検出で、共通食として生食用の生鮮食品(ヒラメの刺身や馬刺し)が提供されているとの情報が寄せられていました。厚生労働省は、2011年6月、全国調査や研究に基づいてヒラメ喫食による原因物質不明有症事例については、寄生虫の一種であるナナホシクドアの関与が強く示唆されるとの提言をまとめました。これを受けて、当該寄生虫によると考えられる有症事例が報告された際には食中毒として取り扱うよう全国の自治体宛てに通知が出されました。2011年6~12月までに報告された寄生虫性食中毒事例は、ヒラメのクドア食中毒(33件)、アニサキス食中毒(25件)、S. fayeri による食中毒(フェイヤー住肉胞子虫食中毒)(2件)を合わせて60件を数え、カンピロバクター、ノロウイルスに次いで第3位となっています。

クドアの病原体

粘液胞子虫類の一種であるクドアは、クラゲやイソギンチャクなどの刺胞動物の近縁で、そのほとんどが魚類の寄生虫です。クドア属粘液胞子虫は、内部にコイル状の極糸を持つ極嚢という構造がある胞子を形成する多細胞動物です。約0.01ミリメートルの大きさで、調理の過程でその存在を見過ごしてしまう原因となっています。クドアは、魚類と環形動物(ミミズやゴカイなど)を交互に宿主としています。魚体内からクドアの胞子が体外に放出されると、環形動物に食べられ、腸管細胞内で有性生殖が行われ、形態の全く異なる放線胞子虫に変態し水中に放出されます。放線胞子虫には先端に3本の突起があり、浮遊している間に魚と接触して皮膚感染を起こします。クドアは、生きた状態でヒトに喫食されないと食中毒は起こらないことがわかっています。また、従来の寄生虫性食中毒と異なり、腸管や生体内での増殖は認められていません。

クドア

クドアの症状

クドア食中毒は、発生に季節性が観察されており、9、10月に多発するという特徴をもっています。原因の大部分は養殖ヒラメ(韓国産および国産)が占めていますが、ヒラメの消費量は12月および1月が最も多く、当該食中毒の発生頻度と消費量との相関は認められていません。2009(平成21)年10月に愛媛県で起こったヒラメ喫食を原因とする食中毒事例では100名以上の患者を出し、症状は下痢が79.7%で最も多く、次いで嘔吐(57.6%)の順でした。潜伏期の中央値は5.0時間(範囲:1.0~22.0時間)で、多くの場合24時間以内に症状は治まり、予後は良好で後遺症の報告はありませんでした。

クドアの予防

クドアの生態や生活環等は未だに不明な点が多く、食中毒を防ぐための対策について調査・研究が進められています。農林水産省では、平成28年6月に「養殖ヒラメに寄生したKudoa septempunctata による食中毒の防止対策」という通知を出して、養殖場等における食中毒防止対策を呼びかけています。クドアは、-15℃~-20℃で4時間以上の冷凍、または、中心温度75℃5分以上の加熱により病原性が失われることが確認されていることから、クドアの感染が確認された飼育群は、これらの方法でクドアを失活させた上で食用とすること。



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