学級担任による発達障害支援 – こころのケアシリーズ
LD、ADHD、高機能自閉症などの発達障害児童や生徒には、学級担任や教科担任としての基本的な配慮や具体的な支援が必要になります。
基本的な配慮
- 児童生徒の苦手な面を責めるのではなく、得意な面や努力している面を見つけて、ほめたり、クラスでさりげなく紹介したり、あるいは、単元全体の中のどこかに活躍できる場面を意図的に取り込んで発表の機会をつくったりして、自信をもたせるようにしましょう。
- 児童生徒の学習面での苦手なことや偏りについて理解しましょう。苦手なことをたくさん要求したり、みんなと同じ水準を要求したりするのではなく、一人一人の違いを大切にし、努力や達成を認め、励ましていくようにしましょう。
- 児童生徒が安心して学習や活動に参加できるようにグループ編成や座席の位置などを工夫したり、仲間との遊びに入れるように担任から働きかけたりして、友達との関係がよい方向に広がるようにしましょう。なお、特別な配慮を必要とする児童生徒を意識しすぎるばかりに、差別感や孤立感等をもたせたり、他の子に不公平感を抱かせたりしないよう留意しましょう。
- クラスの児童生徒に対し、LD、ADHD、高機能自閉症について話題にする時は、児童生徒の発達段階等を踏まえ、適切な配慮が必要となります。
- 保護者とのこまめで前向きな情報交換を心がけましょう。小学校低学年などでは普段から連絡帳や電話で連絡を取り合ったり、必要によって話合いをしたりする機会を設けましょう。
- 学級経営案の中に特別支援教育による支援の視点を位置付けましょう。
具体的な支援
- 【指示の伝え方】
例えば、クラス全体には、注目させてから短かくポイントを絞って指示をし、そのポイントを板書します。聞き取りが苦手な児童生徒には、クラス全体への指示の後、個別にもう一度指示を伝えます。さらに、伝えたことを理解したかどうか復唱させたり、行動を見たりしてチェックします。 - 【課題の出し方】
例えば、書くことの苦手な児童生徒への対応としては、学習プリントやワークシートは、本人と相談の上一定の大きさのマス目のあるものを用意します。消しゴムで消したときに破れにくい紙を渡します。また、言葉だけではイメージがつかみにくい児童生徒への対応として、図や絵や写真など、言葉以外に視覚的な手がかりを提示します。読むことの苦手な児童生徒への対応としては、教科書の漢字にふりがなをふるようにします。文字の位置を指で押さえながら読んだり、読んでいる行だけが見えるカバーシートを使ったりします。また、文字を拡大したり、分かち書きしたりしたプリントを用意します。これらのことは、家庭と連携して行うことが考えられるでしょう。 - 【事前の打合せ】
学年でのチームティーチングや少人数学習等を生かした支援を設定しましょう。その際には、授業前に、担任とチームティーチングや少人数担当教員が支援を必要とする児童生徒の対応について必要な打合せをすることが大切です。 - 【見通しをもたせる】
教室でのルール、決まりごと、スケジュール等は視覚的に分かりやすく掲示し、児童生徒が目で見て確認できるようにしましょう。また、一日の予定は朝の会などで児童生徒に説明し、もし変更があればできるだけ早く知らせましょう。
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