<福岡県>毒グモ・セアカゴケグモ活発化…ベンチの裏などに潜む傾向
特定外来生物の毒グモ、セアカゴケグモの活動が活発になるシーズンに入り、福岡市は特徴や駆除方法の講座を開くなどして、注意を呼びかけている。
市内では、クモにかまれた女性が呼吸障害などを発症したケースがあるが、直接触れなければ、襲われる恐れはないという。市は学校にクモの模型を配って子どもたちに特徴を教える取り組みも始め、対策を強化している。
同市では2007年10月、東区のコンテナターミナルで初めて発見された。12年9月には同区の福祉施設で、女性(当時86歳)が靴をはこうとした際にかまれ、全身の痛みや呼吸障害などを訴えて病院に運ばれた。発見場所は広がり、これまでに南区を除く全ての区で見つかっている。
市は管理する施設を調べて、成体と卵 嚢のう を殺虫剤やバーナーで駆除。市民向けの講座で、生態や特徴、駆除方法などを紹介してきた。この結果、確認された駆除数は13年の1万8589匹が、14年は9493匹、15年には6068匹に減少。今年1~4月は345匹で、前年同期より7割減った。
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市によると、セアカゴケグモは、側溝や石垣の隙間、自動販売機の下、ベンチの裏などに潜む傾向がある。おとなしい性質だが、素手で触るとかまれる恐れがあるという。
市は5月、セアカゴケグモの樹脂製の模型を作り、市立小中学校などに配布した。市のホームページでも特徴などを掲載している。市生活衛生課は「7月から10月頃に特に活動が活発化するので注意が必要。早期に成体や卵嚢を見つけて駆除すれば、増殖を防ぎ、リスクを減らすことができる」と話している。(小松一郎)
◇セアカゴケグモ ヒメグモ科のクモで、オスは体長4~5ミリ、メスは7~10ミリ。メスは腹部の背面に赤色の模様があり、「α―ラトロトキシン」という神経毒がある。オーストラリア原産とされ、日本では1995年に初めて、大阪府で発見された。
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