よく転ぶ子、足の変形注意
◆扁平足・外反母趾など、かかとしっかり覆う靴を
子どもが頻繁に転んだり、歩き方が不自然だったりする場合、足に問題が潜んでいることがある。足の成長は靴にも影響される。歩き方と合わせてチェックしたい。
形成外科医で「足の診療所」(東京)院長の桑原靖さんによると、足首から下は26個の骨が組み合わさっている。重要な役割を果たしているのが足裏の三つの出っ張りで、親指の付け根の「 母趾球(ぼしきゅう)」、小指の付け根「 小趾球(しょうしきゅう)」、「かかと」だ。
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健康な足は、この3点を結んだ骨格がアーチ状になっており、地面からの衝撃を吸収しながらバランスを取っているという。「三つのアーチ」と呼ばれ、通常、9歳頃までに出来上がるという。アーチが崩れて平らになっていると、転びやすくなったり、足が疲れやすくなったりする。
扁平(へんぺい)足は、母趾球とかかとの間のアーチが平らに近く、土踏まずがない状態だ。足の裏がべったり地面に着き、衝撃が膝や腰に伝わりやすくなる。
親指が人さし指の方に曲がった状態の 外反母趾(がいはんぼし)も、三つのアーチの全部や一部が崩れている。大半は生まれつきだが、足に合わない靴を履き続けることでも悪化する。
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足の指が下に向かって「くの字」に曲がった「ハンマートウ」は、母趾球と小趾球の間のアーチが崩れ平らになっていることが多い。2点間をつなぐ筋肉が伸びないため、地面をけりにくくなる。
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こうした足の変形を改善したり防いだりするには、靴選びが大切だ。桑原さんは「かかとを丈夫な素材でしっかり覆ったものがいい」と話す。かかとが安定すると、そこを起点にアーチも形成されやすくなるからだ。
シューフィッターの養成や認定を行う一般社団法人「足と靴と健康協議会」(東京)の研究員、原田繁さんは「つま先が細い靴を履き続けていると足指が縮こまり、変形につながりやすい」と話す。大きすぎる靴も、足が前にずれて指がつま先部分に詰まってしまい、負担がかかるので避けたい。
長さは、足より1センチほど大きめで、靴ひもや接着テープで甲をしっかり締められるタイプを選ぶ。甲の部分で締めていれば、足は前にずれにくくなる。横幅は足を圧迫しない程度にぴったりフィットしたものがいい。
桑原さんによると、子どもの足の異常を察知するには、かかとが内側に倒れていないかや、靴のかかと部分のすり減り方が左右で違っていないかなどが目安になる。歩き姿などをよく観察してみよう。
長い距離を歩いていないのに、すぐに疲れたり足に痛みが出たりしないかも判断材料だ。「頻繁に痛みを訴えるケースでは、指の変形が起きている場合もありうるので、見逃さないようにしてください」と話す。
また、「体育座り」をした時の両膝の高さもチェックポイントになる。膝の高さが左右で違うようだと、足に何らかの問題を抱えている可能性があるという。
「当てはまる点があるようなら、足を診てくれる医療機関などに相談してください」と桑原さんは話している。
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