福岡市立こども病院 夏風邪 水分・栄養補給に留意を

風邪といえば冬のインフルエンザが思い浮かびますが、子供は夏風邪にも注意です。代表格は手足口病やヘルパンギーナです。今年も本格的に流行する時期になりました。

□小児感染症科・深沢光晴医師

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産経新聞

福岡市立こども病院 夏風邪 水分・栄養補給に留意を

 どちらもエンテロウイルスなどを原因とするウイルス性の感染症です。手足口病は名前の通り、口内や手足に発疹ができます。熱は出ない人もいます。これに対し、ヘルパンギーナは口内に痛みを伴う水疱(すいほう)ができます。38度を超える熱が3日程度続くことが多いです。

 手足口病、ヘルパンギーナとも、流行するウイルスのタイプが年によって異なり、1度かかってもまたかかることがあります。手足口病は昨年まで、大きな水疱ができるタイプも流行しました。通常、水疱の大きさは2~3ミリですが、1センチを超えるような大きな水疱でした。特にヘルパンギーナは、のどが痛くなり、食事をとることや、水を飲むことも難しくなります。このため、水分をしっかり取るよう指導します。
 エンテロウイルスに対する薬は国内にはなく、解熱などの対症療法を行います。のどの痛みがひどく、食べられない場合は点滴をします。ゼリーなど食べやすいもので栄養補給するのもよいでしょう。

「ヘルパンギーナ」本格的流行始まる 免疫力弱まる夏、重症化する前に早期受診して

夏に乳幼児がかかりやすいウイルス性の感染症「ヘルパンギーナ」が本格的に流行し始めた。今年の第24週(6月13~19日)時点で、全国の定点医療機関(小児科計約3千カ所)当たりの患者数は0・91人となり、11週連続で増加。効果的な予防や治療の方法がないため、早期受診で重症化を防ぐことが大切だ。

 2歳前後でかかることが多く、どちらも数日間かけて自然にひいていきます。ただ、まれに髄膜炎や脳炎などの合併症を起こします。吐いたり、首が痛いときは髄膜炎になっている可能性があります。脳炎になると意識がおかしくなったり、けいれんを起こしたりします。
 こども病院にも昨年夏に髄膜炎で5人程度、入院しました。入院する子供は、食事ができずにぐったりしています。心当たりのある症状が出た場合は、早めの受診が大切です。
 また、エンテロウイルスを原因とする病気は、生まれたばかりの子供がかかると重症化しやすいので、うつさないように注意が必要です。
 唾液の飛散や、ウイルスが潜んだ便に触れることで感染します。幼稚園や保育園で流行することもあり、流行した場合はマスクやこまめな手洗いに加え、タオルの共用は避けましょう。

 暑いのを好むウイルスなのか、東南アジアなど暖かい地域では、年間を通じて患者が出ています。中国や台湾では死亡例も多く出ているようです。過度に心配が必要な病気ではありませんが、子供の体調の変化には十分に気を付けてください。
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【プロフィル】深沢光晴
 九州大学病院、福岡東医療センターなどを経て平成26年4月に福岡市立こども病院に着任。さまざまな臓器・器官に関係する感染症について、病院ではまれな疾患を含む多様な病気に対応している。


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