ぜんそく入院の子急増 エンテロウイルスD68感染症
かぜに似た症状を起こす「エンテロウイルスD68感染症」が流行した2015年9月に、ぜんそくで入院した子どもが他の月と比べて急増したことが、日本小児アレルギー学会の全国調査で16日分かった。
このウイルスに感染すると呼吸器症状を起こす場合があることが知られているが、調査を担当した大分大医学部の是松聖悟教授(小児科)は「健康な子どもでも重いぜんそく症状が出る可能性がある」と注意喚起する。ぜんそくとは別に、発熱に伴いまひを訴える子どもの症例と感染との関連も指摘され、同ウイルスの実態解明が急務となりそうだ。
学会は小児科のある病院を対象に、2010年1月から15年10月の間、ぜんそくの症状で入院した20歳未満の症例を調査。沖縄を除く46都道府県の百数十の施設から回答を得た。
これまでの解析では、毎月約500人から1500人の間で推移していた入院数が、エンテロウイルスD68の感染報告が増えた15年9月に約2200人に急増した。人工呼吸器を着けたり、集中治療室に入ったりする特に重い患者も増え、いずれも調査期間中で最多となった。地域別にみると、関東、甲信越、北陸、東海、中国、四国で15年9月に入院数が最多になった。北海道、東北、関西、九州では明確な傾向はみられなかった。
また15年にウイルス検査をした症例を調べたところ、分析が終わった237人のうち、55人で同ウイルスを確認した。特に同年9月に検査を行った施設では、約3割で同ウイルスを検出したという。
エンテロウイルス
発疹が出る手足口病や、まひを伴うことがあるポリオの原因となるウイルス類の総称。D68という種類に感染すると、発熱や鼻水のほか、呼吸困難など呼吸器症状が現れる。症状が出るのは子どもが多いとされ、大人は無症状のこともある。国立感染症研究所によると、昨年は国内で250人以上からエンテロウイルスD68が検出された。昨年夏以降、子どもを中心に原因不明のまひが報告され、一部から同ウイルスを検出、厚生労働省が調査に乗り出した。米国でも2014年8月~15年1月に大流行し、千人以上の感染が確認された。(共同)
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