スクウェルがお薦めする「ウィルス不活化装置」V-VALIAのご紹介

この度、スクウェル事務局(株式会社インターテクスト)は、イオンクラスター技術によってウィルスを不活化、また浮遊カビ菌、ホルムアルデヒド、PM2.5の除去に有効で、空気を清潔に保つことに貢献する「ウィルス不活化装置」V-VALIAの販売を開始いたしました。

 これまでスクウェル事務局では、学校における子どものウェルネスを追求し、手洗い推奨をはじめ、感染症についての啓発情報の発信に努めてまいりました。その信頼基盤の上に、科学的なエビデンスを備えた優れた商品を、学校をはじめとしてそれらを必要とする施設にご提供したく存じます。

 新型コロナウィルスによる不安は、多くの学校、団体、企業や個人を苦しめています。スクウェル事務局ではこれらの方々の不安を少しでも取り除き、健康で安心な生活を送れるように、引き続き尽力してまいります。

 こんな方々のために



おたふく風邪ワクチンは必要ない?

NO MUSIC,NO LIFE という言葉がありますが、音楽を聴かない日はありません。
 Jazzを聴く日もあれば、Rockを聴く日もあります。そんな音楽好きのDNAの一部が遺伝したのか、私の長女は音楽大学に進み打楽器を専攻しています。その長女が先日、耳に違和感を覚えるというので耳鼻科を受診させました。もしや騒音性難聴ではないかと受診前にかなり心配しましたが、検査の結果、聴力は低下しておらず胸をなでおろしました。音楽をやる人間にとって、聴く力は生命線ですからね。いや、一般の人たちにとっても難聴は大問題です。視力は人と物のコミュニケーション、聴力は人と人のコミュニケーションと言われますが、まったくその通りです。もし、あなたのお子さんが聴力を失ったら、本人も親もどれほどつら辛い思いをするでしょうか? 考えたくもありませんね。

 今日はおたふく風邪(ムンプス)とワクチンについて書きます。

Screenshot

yomi Dr./ヨミドクター(読売新聞)

おたふく風邪ワクチンは必要ない?

かかってしまえば免疫ができるけど…

 小児クリニックには通常、隔離室が置かれています。おたふく風邪や水痘(水ぼうそう)の子どもを隔離するためです。うちのような大して患者の多くないクリニックでも、1週間、隔離室をまったく使わないということはほとんどありません。未就学児を中心におたふく風邪や水痘の子どもはいくらでも受診します。
 つい先日もおたふく風邪の疑いの患者さんがやってきました。隔離室へ入ってみると、5歳の女の子の右耳のすぐ下が大きく腫れていました。熱もある。お母さんに話を聞くと、幼稚園で何人もおたふく風邪で休んでいる子どもがいるらしい。そしてそのお子さんは、おたふく風邪のワクチンを打っていませんでした。

 おたふく風邪には治療法がありません。免疫が誘導されてムンプスウイルスが消えるのを待つだけです。幼稚園は5日ほど休んでもらわないといけません。私は、解熱剤を処方することと、5日後に再来してもらうことを母親に伝えました。そしてその時、この子には弟がいることを思い出しました。
 「お母さん、おたふく風邪ってものすごく感染力が強いんです。弟さんにもかなり高い確率でうつりますよ。今からワクチンを打っても間に合いませんから、耳の下が腫れたら受診してくださいね」
 お母さんは苦笑いの表情になりました。
 「まあ、ちょっとのがまんだから、うつったらそれで免疫ができるので、どうせなら済ませちゃった方がいいかも」
 私は「ちょ、ちょっと、待った~」と声を上げて、おたふく風邪の合併症について説明を始めました。

本来、かかってはいけない病気

 ムンプスウイルスはさまざまな臓器に親和性があります。従って耳下腺が腫れる以外に多種類の合併症を引き起こします。まれではありますが、脳炎・髄膜炎・ 膵炎すいえん ・精巣炎・卵巣炎といった危険があります。そして大きな問題になるのが難聴です。
 古い小児科の医学書をひもとくと、ムンプス難聴になる例は、おたふく風邪にかかった子の1万~2万人に1人くらいと書かれています。ところが、1990年代になってから、耳鼻科の先生たちからムンプス難聴の頻度は100~200人に1人と報告されるようになりました。従来の定説よりも100倍も頻度が高いのです。

 ムンプス難聴は多くの場合、片側だけに起きます。そして高度の難聴になり、聴力がほとんど失われてしまいます。治療法はなく、回復することはありません。なぜ、ムンプス難聴に小児科医は気付かずに、耳鼻科の先生が気付くのでしょうか? それは未就学児くらいの年齢のお子さんだと、片耳が聞こえなくなってもそれを親に伝えないことが多いからです。おたふく風邪にかかった時期に難聴を合併するのですが、親がそれに気付くのはかなり時間がたってからということも多いはずです。おたふく風邪との関連は気に留めず、小児科医に相談しないで耳鼻科を受診しているのが実態でしょう。また、耳鼻科の先生は、就学前健診で聴力に異常のある子どもの精密検査をたくさんやっているので、ムンプス難聴が実は多いことを知っているのです。
 たとえ片側でも高度難聴は、人生の質を著しく低下させます。日常会話には困らないかもしれませんが、音楽を楽しむことは著しく制限されます。そしてムンプス難聴の中には、両側の難聴、つまり「ろう」になってしまうケースもあります。その頻度は意外に高く、ムンプス難聴の10%以上は両側性という報告もあります。

突発性難聴という病気

 おたふく風邪という病気から離れて、難聴という観点から考えてみましょう。突発性難聴という病気があります。文字通り、突発的に(突然に)片耳の聴力が低下してしまう病気です。歌手の浜崎あゆみさんは、この病気によって片耳の聴力を失ったことを2008年に明らかにしています。ミュージシャンにとっては本当につらい病気だと思います。
 突発性難聴の原因は諸説ありますが、はっきりしていません。そのうちの一つがムンプスウイルスの感染です。おたふく風邪にかかると耳下腺が腫れることは前述しましたが、30%くらいの患者は症状が出ないと言われています。これを「不顕性感染」と言います。確定的な証拠はありませんが、突発性難聴の一部はムンプスウイルスの不顕性感染であるという考え方は医者の間で根強くあります。
 では、ムンプス難聴をどうやって防げばいいのでしょうか? それはワクチンを打つことに尽きます。

おたふく風邪ワクチンはなぜ任意接種なのか?

 現在、「麻疹・風疹」混合(MR)ワクチンは定期接種ですが、おたふく風邪ワクチンは任意接種です。しかし1989年には、「麻疹・おたふく風邪・風疹」混合(MMR)ワクチンは定期接種されていました。ところが、MMRワクチンは1993年に姿を消しました。理由は副反応です。MMRワクチンは「弱毒生ワクチン」ですから、言ってみれば軽くおたふく風邪に感染するわけです。おたふく風邪の合併症は多彩だと言いましたが、当時問題になったのはムンプスウイルスによる髄膜炎でした。
 髄膜炎とは脳の表面をおおっている髄液にウイルスが感染し、頭痛や 嘔吐おうと 、発熱などの症状が出ることを言います。首筋が硬くなるのが特徴なので、顎を胸に付けられなくなります。特効薬はありませんので、入院して安静にしておくほかありません。ただ、生命に別状はなく、後遺症を残すこともありません。
予防接種のイラスト
”A4サイズのイラスト(ログインしてください。)”

 現在でも、任意接種のおたふく風邪ワクチンには髄膜炎のリスクがあります。ただ、みなさんに冷静に考えていただきたいのは、おたふく風邪に感染した時の髄膜炎とワクチンを打った時の髄膜炎では、症状の重さも発症頻度も全然違うということです。おたふく風邪は4~5年のサイクルで大きな流行になります。少ない年で数十万人、多い年で百数十万人が感染します。一方、ワクチンを打っているお子さんは毎年30%くらいと目されています。自然感染したお子さんに合併する髄膜炎の頻度は、ワクチンを打ったお子さんの髄膜炎よりも100倍も多いと考えられています。症状も重く出ます。ワクチンを打たない方がはるかに危険なことは明らかでしょう。
 隔離室で私の長い話が終わると、お母さんは納得してくれたようでした。可能な限りきょうだいを隔離して、もし弟におたふく風邪がうつらなければワクチンを打つと約束してくれました。

ワクチンに関するデマ

 最後におたふく風邪ワクチンに関するデマについて触れておきましょう。1998年のイギリスで、自閉症と腸炎を合併する病気が見つかったと有名な医学雑誌に論文が発表されました。この子どもたちは病気の発症前にMMRワクチンを打っていたことから、おたふく風邪ワクチンを打つと自閉症になると大騒ぎになりました。ところが何とこれはデータの 捏造ねつぞう だったのです。この論文を発表した医者は、MMRからおたふく風邪(M)を抜いたMRワクチンを製造する会社の顧問だったのです。偽の論文を発表することで莫大な利益を得ていたのです。世界中で、おたふく風邪ワクチンと自閉症の関連が調査されましたが、その結果、事実無根と判明したのです。

 ついでにもう一つ。インフルエンザワクチンには防腐剤としてエチル水銀(チメロサール)が添加されています。この物質と自閉症の関連が1990年代に指摘されたことがあります。しかしこれも多くの施設の研究から無関係であることがわかっています。世界保健機関(WHO)も、両者の関係を否定する声明を出しています。
 おたふく風邪ワクチンや、チメロサール入りのワクチンを打つと自閉症になるという言説はひどいデマです。デマに振り回されて不利益を被るのはあなたのお子さんです。何が真実かわからなくなったら、主治医の先生とよく相談してくださいね。
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