アトピー性皮膚炎 – アレルギーシリーズ
アトピー性皮膚炎は、皮膚にかゆみのある湿疹が出たり治ったりを繰り返す疾患で、多くの人は遺伝的になりやすい素質(アトピー素因)を持っています。アトピー素因を持っている人は、家族または本人に、気管支喘息(ぜんそく)、アレルギー性鼻炎・結膜炎、アトピー性皮膚炎のいずれかがあります。厚生労働科学研究「アトピー性皮膚炎治療ガイドライン2005」によると、年齢別アトピー性皮膚炎の有病率は、4か月で2.8%、1歳 6か月で9.8%、3歳で13.2%、小学1年生で11.8%でした。
アトピー性皮膚炎の原因
アトピー性皮膚炎は、生まれながらの体質に、さまざまな環境条件が重なって発症します。生まれながらの体質には、皮膚が乾燥しやすく、外界からの刺激から皮膚を守るバリア機能が弱く、さまざまな刺激に敏感であることと、アレルギーを生じやすいことの2点が重要です。環境条件としては、ダニやホコリ、食物、動物の毛、汗、シャンプーや洗剤、プールの塩素、生活リズムの乱れや風邪などの感染症など、さまざまな悪化因子があり、個々に異なっています。
アトピー性皮膚炎の症状
皮膚炎は、顔、首、肘の内側、膝の裏側などによく現れますが、ひどくなると全身に広がります。軽症では、皮膚が乾燥していてかゆがるだけの症状のこともありますが、掻き壊して悪化すると皮膚がむけてジュクジュクしたり、慢性化すると硬く厚い皮膚となり、色素沈着を伴ったりすることもあります。かゆみが強く、軽快したり悪化したりを繰り返しますが、適切な治療やスキンケアによって症状のコントロールは可能で、普通の人と同じ生活を送ることができます。
アトピー性皮膚炎の治療
アトピー性皮膚炎の治療には、以下の重要な3本の柱があり、これらに配慮した対処を行うことが重要です。
① 原因・悪化因子の除去:室内の清掃・換気・食物の除去など
② スキンケア:皮膚の清潔と保湿、適切なシャワー・入浴など
③ 薬物療法:患部への外用薬の塗布、かゆみに対する内服薬など
皮膚のバリア機能
皮膚は人体の最外層にあって、さまざまな刺激や有害物質が体の内部に侵入するのを防いでいます。また同時に、体内の水分が蒸散するのも防いでいます。この働きをバリア機能と呼び、皮膚の一番外側でバリア機能を担っているのが角層と呼ばれる、いわば屋根瓦の様な存在です。アトピー性皮膚炎の人の皮膚は、このバリア機能が低下しています。皮膚炎があるところだけでなく、一見正常に見えるところでも健康な人の皮膚に比べて皮膚表面の水分量が少なく、角層が乾燥して剥がれやすく、隙間も多いために物質が透過しやすくなっています。このことは、アトピー性皮膚炎の人がちょっとした刺激でも皮膚炎を生じやすく、また一度生じた皮膚炎がなかなか治りにくいことと深く関係すると考えられています。つまり、アトピー性皮膚炎は生まれつきアレルギー反応を生じやすく、また皮膚のバリア機能が低下しているところに、さまざまな刺激やアレルゲンが加わって皮膚炎を生じ、さらに掻破やさまざまな悪化因子が加わり皮膚炎が悪化するという悪循環を繰り返していると考えられています。
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