エボラ – 学校で予防すべき感染症シリーズ
エボラ出血熱は、感染症法により一類感染症に分類されている重症ウイルス性出血熱で、発病すると半数以上が死亡すると報告されている極めて重症の疾患です。中央アフリカ、西アフリカなどでまれに発生します。本疾患は必ずしも出血症状を伴うわけではないことなどから、近年ではエボラウイルス病(Ebola virus disease: EVD)と呼称されることが多くなっています。エボラ出血熱は、学校保健安全法施行規則で第一種の感染症に分類され、出席停止の基準は「治癒するまで」です。
エボラの原因
エボラ出血熱の病原体は、エボラウイルス。接触感染によって伝染します。ウイルスを保有している宿主(野生動物)は不明で、患者の血液、体液などの接触により感染します。エボラ出血熱のヒトへの感染は、感染して死亡した野生動物(チンパンジー、ゴリラ、オオコウモリ、サル、レイヨウ、ヤマアラシなど)にヒトが触れたことによると示唆される事例が報告されています。その後、感染したヒトの血液、分泌物、臓器、その他の体液に、創傷のある皮膚や粘膜を介して直接的接触することにより、またはそのような体液で汚染された環境への間接的接触でヒトからヒトへの感染が起こります。
エボラの症状
発熱、全身倦怠感、頭痛、筋肉痛、関節痛などで急に発病します。腹痛、嘔吐、下痢、結膜炎が続きます。2〜3日で状態は急速に悪化し、出血と発しんが出現します。6〜9日で激しい出血とショック症状を呈し、死に至ることがあります。潜伏期間は汚染注射器を通した感染では短く、接触感染では長くなります。発病した場合の致死率は50〜80%です。
エボラの予防
現時点で承認されたワクチンや治療薬はありませんが、研究段階にあるいくつかの薬剤は西アフリカでの発生を受けて、承認前のヒトへの投与について検討がなされています。治療は対症療法のみで、抗体が検出されるようになると急速に回復に向かいます。疑い患者の血液等を素手で触れないこと(手袋を必ず使用する)が重要です。
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