食物アレルギー – アレルギーシリーズ
食物アレルギーとは、特定の食物を摂取した後にアレルギー反応を介して皮膚・呼吸器・消化器あるいは全身性に生じる症状のことをいいます。そのほとんどは食物に含まれるタンパク質が原因で起こり、食物に含まれる物質そのものによる反応や症状は食物アレルギーには含めません。平成21年度の日本保育園保健協議会での全国調査によると、食物アレルギーの有病率は約4.9%でした。また年齢別では、0歳が7.7%、1歳が9.2%、2歳が6.5%、3歳が4.7%、4歳が3.5%、5歳が2.5%という結果でした。一口に食物アレルギーといっても、以下のようにさまざまなタイプがあります。
食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎
典型的な食物アレルギーであり、原因食物を食べて2時間以内に症状が出現します。その症状としては、蕁麻疹、持続する咳、ゼーゼー、嘔吐などやアナフィラキシーショックに進行するものまであります。即時型の原因は鶏卵が最も多く、牛乳、小麦と続き、乳幼児期発症例のほとんどは3歳までに約半数、小学校入学前までに約9割が治っていきます。
その他の食物アレルギー
a.新生児消化器症状
新生児期および乳児期早期に育児用粉乳および母乳に対して血便、嘔吐、下痢などの症状が現れます。まれに生後3か月以降にも認められることもあります。
b.口腔アレルギー症候群
果物や野菜に対するアレルギーに多い病型で、食後5分以内に口唇・口腔内の症状(ヒリヒリする、イガイガする、腫れぼったいなど)が比較的まれに出現します。多くは粘膜局所の症状だけで回復しますが、キウイやモモなどでは全身性の症状を伴うことがあります。
c.食物依存性運動誘発アナフィラキシー
原因となる食物を摂取して2時間以内に激しく運動をすることによりアナフィラキシー症状を起こします。幼児期は通常運動の強度が低いので学童期に比べるとまれにしか認められません。原因食物としては小麦、甲殻類が多く、運動量が増加する中学生に最も多く見られます。頻度としては中学生で6,000人に1人程度とまれですが、発症した場合は呼吸困難やショック症状のような重篤な症状にいたるので注意が必要です。原因食物の摂取と運動の組み合わせで発症するため、食べただけ、運動しただけでは症状はおきません。気がつかずに誘発症状を繰りかえす例もあります。
[adrotate group=”7″]
[adrotate group=”8″]
メンバー限定(登録は無料)のコンテンツとなります。
[adrotate group="7"] [adrotate group="8"]