蚊が媒介の感染症 12県が対策の第一段階も完了せず
ジカ熱やデング熱など、蚊が媒介する感染症の拡大を防ぐため、国は去年4月、手引きを作り自治体に対策の実施を求めましたが、NHKが、対象となった全国45の都府県に取材したところ、4分の1以上に当たる12の県で、感染の危険がある場所の選定という、対策の第一段階も完了していないことがわかりました。
国は、おととしのデング熱の流行をきっかけに、ジカ熱やデング熱など蚊が媒介する感染症を防ぐための対策の手引きを作り、去年4月、ウイルスを媒介する蚊がいない北海道と青森を除く全国45の都府県などに対策の実施を求めました。
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手引きではまず、人が集まる観光地などで蚊の生息数も多い場所を感染の危険がある「リスク地点」に選定したうえで蚊の駆除などの対策を行い、さらに定期的に蚊を採取しジカ熱やデング熱のウイルスを持っていないか調査する3段階の対策を求めています。
この対策について、NHKが全国45の都府県に取材したところ、全体の4分の1以上に当たる12の県が、対策の第一段階に当たるリスク地点の選定について「検討していない」、または、「まだ選定できていない」と答え、対策が実施できていませんでした。
ジカ熱の問題に詳しい神奈川県衛生研究所の高崎智彦所長は「自治体によって海外から感染症が持ち込まれるケースの数に違いがあるので、その差が危機感や対策の差につながっていると思う。ただ海外からウイルスが持ち込まれるリスクがゼロという自治体はない。国の手引きに基づいた対策を早急に進めてほしい」と話しています。
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