秋の花粉症 スギご注意 記録的猛暑、花芽の成長促進 ヨモギ、ブタクサも開花期
記録的な猛暑が過ぎて日ごとに秋が深まる中、花粉症への懸念が高まっている。夏場に高温・乾燥の天候が続き、花粉症の誘因となる植物の生育を促したためだ。通常は春に猛威を振るうスギ花粉の一部が秋から舞い始める可能性があるほか、秋に花粉症を引き起こすヨモギやブタクサの開花も進む。専門医は「敏感な人は秋の花粉症に気をつけて」と呼び掛けている。
全国の花粉観測を手掛けるNPO法人「花粉情報協会」(千葉県)によると、7月下旬から8月中旬、全国的に平年よりも気温が高く、日照時間も多かったため、スギの花芽の生育に好条件となった。
このため、例年は年明けから飛散し始めるスギ花粉が、微量ながらも10~11月から飛散する可能性が出ているという。来春のスギ花粉の飛散も「多くなる」と予想している。
同協会の理事で、国立病院機構福岡病院(福岡市南区)アレルギー科の岸川禮子医師は「たとえわずかな飛散でも、花粉症がひどい人には症状が出る」と指摘する。
岸川医師らは、病院の屋上に専用器具を設置し、スギなどの花粉について「秋の飛散状況」を調査。過去5年間の花粉量の計測では、大雨が続いた2012年と気象庁が冷夏と発表した14、15年は1日当たり最大で0・5~1・5個(1平方センチメートルへの付着量)だったのに対し、猛暑とされた11、13年は2・5~3・5個を採取した。「過去の傾向をみると猛暑だった今年は注意が必要」と警告する。
一方、8月中旬から11月上旬にかけては、道端や野原に生えるヨモギやブタクサも開花期。スギ花粉に比べて飛散範囲は狭いが、せきや鼻づまり、目のかゆみなど風邪に似た症状が出る人もいる。岸川医師によると、患者から「今年は症状の出る時期が昨年より早い」という声が寄せられているという。
岸川医師は「花粉症は秋にも発症する。症状が続く場合は単純な風邪と思い込まず、アレルギーを疑い、検査してほしい」と話している。
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