<熊本地震> 避難所の感染症予防にうがい・手洗い徹底を
熊本地震の被災地では、避難生活の長期化が予想される中で、ノロウイルスなど感染症の流行が危惧される。平成23年の東日本大震災で感染症予防マニュアルを作成した日本環境感染学会理事長の賀来(かく)満夫教授(東北大教授)は「避難所生活は集団感染のリスクをはらんでいる。うがい・手洗いの基本を徹底してほしい」と警鐘を鳴らした。
日本環境感染学会理事長・賀来満夫東北大教授
災害発生から1週間たつと、ノロウイルスなどの感染性胃腸炎、インフルエンザなど呼吸器感染症が増える傾向にあります。熊本地震の避難所でも、予防のためのマスク着用や手洗い、うがいの基本を徹底することが大事です。
お年寄りを中心に、口の中の汚れが唾液などと一緒に気管に入ることで、「誤嚥(ごえん)性肺炎」を発症することがあります。とにかく口の中の細菌を増やさないことです。
歯ブラシなど口腔(こうくう)ケア用品がない場合、ぬれたティッシュやガーゼを指に巻いて歯や入歯を磨きましょう。断水している場合は、ウエットティッシュを使ってください。のどあめで口を適度に運動させるのも効果的です。
避難生活が長期化すれば、ストレスがたまりお年寄りを中心に免疫力が低下します。
東日本大震災の被災地では、迷惑をかけないよう、不調を訴えないお年寄りも多かった。隣の人の唇が青くなるなど体調の変化に敏感になってほしい。
また、屋外でのがれきの撤去作業でも注意してください。
土ぼこりには肺炎を引き起こすレジオネラ菌が含まれています。破傷風菌を傷口から体内に取り込んでしまう恐れもあります。皮膚を露出させないことが大切です。ボランティアも含めて、作業中は手袋やマスクの着用を義務づけてほしい。
人が密集する避難所では、すぐにアウトブレーク(集団感染)につながります。感染症に対する危機感を避難所全体で共有してください。熊本県のホームページに公開されている「感染予防のための9か条」(http://www.pref.kumamoto.jp/kiji_15481.html?type=top)を避難所の入口などに張り出すのもよいでしょう。
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Schoowell(スクウェル)事務局 一同