不登校対策で最終報告書 「休養」の重要性を訴える
文科省は7月29日、不登校児童生徒への支援策をまとめた最終報告書を公表した。切れ目のない支援を目指して「休養」の重要性や不登校児童生徒の現状を把握するためのシートの活用などを示した。8月上旬にも全国の都道府県・政令市教委に通知として発出する見込みだ。
報告書によれば、不登校の時期がいじめによるストレスから回復するための「休養時間としての意味がある」と強調。加えて、進路選択を考える上でも重要な意味があると休養の必要性を説明した。
また不登校の児童生徒の現状を記録する「児童生徒理解・教育支援シート」の活用を求めた。これには支援状況や支援目標のほか、本人、保護者の意向を記す欄が設けられている。
報告書には不登校の定義である30日以上の欠席に至った時点でシートを作成するのが望ましいとした。だが、遅刻や早退などの不登校ぎみな現状でも柔軟に作成するよう求めた。先行事例として、東京都、横浜市両教委が既に実施している。
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また学校外学習で指導要録上の出席扱いの事例も示した。
フリースクールなどの民間の場合は、学校と民間施設、保護者の3者で協議するのが一般的であるとした。また学校と施設が定期的に連絡を取り合う事例もあったと報告されている。
このほか、不登校児童のためにカリキュラムを導入している特例校(現在10校)のほか、4割の自治体で未設置の教育支援センターの拡充を目指す方針を示した。
不登校児童生徒支援の有識者会議の座長を務めた森田洋司鳴門教育大特任教授は「いじめや不登校傾向を早期に発見するために『児童生徒理解・教育支援シートシート』を活用してもらいたい。早くから支援の体制を整える必要がある」と語った。
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