夏場のバーベキュー、食中毒に注意
トングと箸使い分け、肉は十分加熱
夏は気温や湿度が高く、食中毒の原因となる細菌が増殖しやすい季節だ。近年はバーベキュー人気の高まりで、食中毒も相次ぎ、国の食品安全委員会が注意を呼びかけている。また、生野菜や浅漬けによる食中毒はあまり知られておらず、注意が必要だ。バーベキューで生肉は、口に入れる箸ではなくトングでつかむようにする。
水戸市で5月、高校で行われたバーベキューに参加した生徒約20人が、腹痛や下痢などの食中毒の症状に襲われた。便からカンピロバクターが検出され、バーベキューの食材などが原因と断定された。
神奈川県藤沢市では2015年6月、地引き網体験とバーベキュー大会で、焼き肉や生シラスなどを食べた男女138人が嘔吐おうとや下痢などの症状を訴え、ノロウイルスなどが検出された。
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バーベキューが盛んに行われる夏が近づいたため、食品安全委員会は6月、食中毒への注意を呼びかけた。カンピロバクターは、主に家畜や野生動物の腸管内に生息し、人間には、鶏肉や飲料水、生野菜などを通じて感染することが多い。このほかOオー157などの腸管出血性大腸菌、サルモネラ菌などによる食中毒も夏場に多発している。ノロウイルスによる食中毒は冬場に多いが、夏にも発生している。いずれも加熱すれば死滅するが、生焼けなどで感染する事例が絶えない。中でも夏場に人気のバーベキューは、普段料理をしない人が担当したり、いつもとは違う器具で料理したりするため、注意が必要だ。
消費者庁が昨年7月、インターネットを通じて2000人にアンケートしたところ、バーベキューの際に、生肉をつかむトングと、焼けた肉を取る箸を使い分けている人は56%、まな板や包丁を使い分けたり、切る順番を調整したりしている人は32%にとどまった。生肉をつかむトングが野菜に触れると、菌が付着する危険がある。食品安全委員会は「トングや箸はきちんと使い分け、肉は十分に加熱してほしい」と呼びかけている。
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