<埼玉県>高校生が複数要件から避難所運営の最適解見いだす AED操作体験も
埼玉県教委は、県内高校生を対象にした災害ボランティア育成講習会を8月24日、鴻巣市の県防災学習センターで開いた。大規模災害時に、学校や地域で、生徒が適切な有事対応や共助の担い手として活躍できるよう開催された。避難所運営での複数のトラブル事例から最適解を見いだす演習、体験を通した救急救命や災害別対処訓練などを経験した。
講習会には、県立高校33校の代表生徒68人が参加。講座は、多様な自然災害を仮想体験できる防災学習施設で実施された。館内では、強い地震の揺れや火災で室内に煙が充満した状況などが作り出せる。有事の現場に近い環境の中で適切な対応力が磨ける。
特別演習では、慶應義塾大学の大木聖子准教授が指導。生徒が地域の一員として避難所運営を担える力を育むため、グループワークを進めた。避難所で生じる多数のトラブル事例を提示し、グループでより良い対応策を協議し、見いだすのを目指した。
事例は、「避難者を確認する掲示板の個人情報表記」など。確認に必要な内容を確保しながら、プライバシー保護をどう両立させるかについて、生徒は検討した。グループでアイデアを出し、意見を練り合う中で「名前だけを表記し、住所の記述は避ける」といった方法が示された。
生徒は、災害時、唯一の正解がない、あらゆる問題対処が迫られる中での最適解を見いだす知恵やプロセスを学んだ。
館内施設を使った対応講座では、強い地震から身を守る行動や俊敏な消火活動などを、体験を通して学んだ。消火講習では、消火器の安全ピン解除からレバー操作に至るまでの流れを練習。スクリーンに映し出された火災発生箇所に消化液を噴射する訓練で、体験知を積んだ。
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救急救命講習では、患者への対処の流れと胸骨圧迫、AED操作を経験した。指導した救急救命士は、まず、患者に「大丈夫ですか」などと声を掛けて状況確認し、周囲に助けを呼び、サポート体制を築く点を指摘。生徒は、胸骨圧迫では、1分間に110回の圧をかけるリズムで両手を使った圧迫動作を10カウント3セット行う手順を学び、実施した。
交代で全生徒が対処を体験。講師からは、「患者が血を吐いていたり、嘔吐していたりする場合は、無理に人工呼吸をせず、胸骨圧迫を続けよう」などのアドバイスがあり、生徒たちは、有事の心構えとしていた。
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