<徳島県> 禁煙事業所の登録が頭打ち 徳島県、飲食関係中心に啓発
5月31日は世界禁煙デー。受動喫煙による健康被害が広く認識されるようになった中、徳島県が登録する「禁煙宣言事業所」の数が伸び悩んでいる。建物内や敷地内の禁煙に取り組む店舗・施設が対象で、4月時点の登録数は1157カ所と、2013年度から9カ所増えたにすぎない。特に飲食店の登録が伸び悩んでおり、県は啓発を続けていく。
県健康増進課によると、禁煙宣言事業所は制度創設時の08年度は285カ所だったが、12年度時点では1100カ所にまで増えた。11~12年に各保健所が周知に力を入れたことが功を奏した。しかし、13年度以降は1150件ほどで頭打ちとなっている。
登録事業所を業種別に見ると、医療関係や銀行が多く、飲食関係が少ない。飲食店の登録は約65カ所で、登録事業所全体の5%ほどにとどまっている。
徳島市中常三島町3のイタリアン居酒屋ピアッティは、禁煙宣言事業所に未登録ながら建物内を禁煙にしている。オーナーの福本研吾さん(35)は「制度の存在を知らなかった」と言い、周知不足を指摘する。さらに「居酒屋では一般的に酒を飲みながらたばこを楽しむ人は多く、客離れを懸念して禁煙にできない店も多いのでは」と推測する。
厚生労働省の調査によると、県内の喫煙率は01年24・8%、07年22・4%、13年18・3%と年々低下している。県内で展開する3店舗全てを禁煙にしているカフェ・チャチャハウスの澤田慎也社長(44)は「最近は喫煙者自体が少なく、禁煙への理解も進んでいる。女性や子どもにはむしろ歓迎される」と店舗内を禁煙にするメリットを話す。
県は本年度も、飲食店関係者を対象とした講演会などで制度のPRと禁煙の徹底を呼び掛けていく。健康増進課の山崎みゆき課長補佐は「たばこはがんや循環器系の病気の原因にもなる。危険性を周知し、県民の健康寿命を延ばしたい」と訴えている。
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