<岡山県> アスリートの歯と口をサポート 岡山県歯科医師会がセンター設立
岡山県歯科医師会は、スポーツ選手の歯と口の健康管理を通じて競技力の向上に一役買おうと「アスリート・サポートセンター」を設立した。県内に拠点を置くプロチームなどの支援に取り組み、第1弾として5日に赤磐市内で、バレーボール・Vプレミアリーグ女子の岡山シーガルズの選手を対象に歯科検診と研修を行う。
4日から「歯と口の健康週間」―。
同センターは県歯科医師会の会員が参加する組織。当面、有志約20人が活動する。歯学の立場から競技力の向上やけがの予防に努める「スポーツデンティスト」の養成に日本体育協会と日本歯科医師会が共同で取り組むなど、スポーツと歯の関係が注目される中、今月1日に立ち上げた。
岡山シーガルズ、サッカーJ2のファジアーノ岡山、サッカー女子・なでしこリーグ1部の岡山湯郷ベルのプロ3チームのほか、アマチュアチームもサポートする方針。選手に対し、個別歯科検診とアドバイス、歯の破損などけがの予防策や応急手当ての知識啓発といった活動をする。
歯科医師を対象にした研修会が1日、岡山市北区石関町の県歯科医師会館であり、スポーツデンティストの資格を持つ東原慶和・県歯科医師会常務理事が「スポーツ歯学」の概念を解説。虫歯や歯周炎があると、痛みによって集中力の低下や睡眠不足を招いてパフォーマンスが悪くなることなどを説明した。5日は選手向けのセミナー後、歯科医師が2人一組となり、選手一人一人の口腔(こうくう)チェックを行い、普段のケアや治療方針をアドバイスする。
活動の中心となるスポーツデンティストは県内に2人。県歯科医師会は年1人以上の養成を目指している。
2020年の東京五輪での救護活動も視野に全国組織「日本体育協会公認スポーツデンティスト協議会」も発足しており、センターは活動を通じ、競技別の症例や特徴的な口腔トラブルといったデータ蓄積にも取り組む。
県歯科医師会の酒井昭則会長は「地道に活動し、歯科医療の社会的価値を高めていきたい」と話している。
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