<福井県> 集団食中毒 感染拡大に情報公開の遅れ 学校給食が原因のノロウイルス

先月、若狭町で、町給食センターが作った学校給食が原因のノロウイルスによる集団食中毒が発生した。給食の提供を受けていた八つの小中学校すべてで感染者が出ただけでなく、直接給食を食べていない家族らにも感染が広がった。感染拡大の背景には、町による情報の公開が遅れたことも大きい。今回の問題を時系列で振り返る。【高橋一隆】

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毎日新聞

集団食中毒 感染拡大に情報公開の遅れ 学校給食が原因のノロウイルス

通報は5月22日

 食中毒の症状を訴える患者が地元医療機関に受診に訪れ始めたのは5月21日夜とされる。22日朝には、医療機関から県の健康福祉センターに通報が入った。
救急車
 最初に通報した小浜市の小児科医、一瀬亨さんは「午前8時半から診察を始め、連続して同じ症状の中学生らが訪れたのですぐに集団食中毒と分かった。近隣の医師会に連絡し、午前10時すぎには通報した」と説明する。

記者会見は23日

 その夜、情報をキャッチした一部報道機関の問い合わせだけに、町教委は集団食中毒の発生を認めた。しかし、町が正式に記者会見で情報を公開したのは23日午前10時だった。
 実際に、それまでの間、行政ではどういったやり取りがあったのか取材した。22日午前中に医療機関から食中毒の情報を受けた県若狭健康福祉センター(小浜市)は22日午後0時5分に町立上中中学校に「食中毒症状の生徒が多い」との情報を入れた。11分後に県二州健康福祉センター(敦賀市)からも、町教委に連絡が入った。午後2時ごろ公務で上京中の森下裕町長へ伝えられ、午後6時に臨時校長会が開かれ、週明けの学校対応などを話し合い、午後7時に保護者に連絡したという。
 しかし当日、情報を伝える範囲はこれで十分だったのだろうか。2次感染による被害拡大の恐れがある中、この日のうちに広く情報を公開するべきだったのではないか。
 記者会見で、森下町長らは、「そこまで思いが至らなかった」と答えるにとどまった。

後手に回る対策

 後手に回ったのは、初報だけではない。原因がノロウイルスと公表されたのは24日午後1時半だった。しかし、23日午後8時には、町給食センターの職員から感染力の強いノロウイルスが検出された。町議会には24日午前中に説明したが、ケーブルテレビなどでの感染注意の呼びかけはなかった。
 森下町長は、その後の記者会見で「22日は東京から対策会議を早くするよう指示した。状況は翌朝に聞き、すぐ記者会見するよう指示したが、いち早く周知せねばならず、反省している」と話した。
記者会見
 現在、防災行政無線やインターネットなどを使った2次感染注意の呼びかけは、町内だけにとどまらず、周辺自治体にまで広がった。新たに症状を訴える人は現在も、毎日のように出ており、町教委は1日、児童生徒の家庭内の感染状況調査に乗り出した。
 感染症が起きた際の素早い情報提供の大切さを再認識してほしい。



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