<熊本地震> トイレ難民をなくせ~水なしで便利な強い味方

熊本地震の発生から3週間あまりが過ぎ、長引く避難所暮らしで健康をどう維持するかが課題となっている。過去の災害では、汚いトイレに行きたくないからと我慢したり、水分を控えたりして体調を崩した人が出た。感染症を防ぐためにもトイレを清潔に保つ必要があり、支援物資として水のいらないトイレを送る動きも出ている。被災地のトイレ事情をまとめた。

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読売新聞

トイレ難民をなくせ~水なしで便利な強い味方

ラップで密封、菌も臭いも封じ込め

 日本財団は、震災発生の約1週間後から、水を使わない簡易トイレを500台、避難所に順次、設置した。凝固剤を入れたラップで排せつ物を完全密封するもので、臭いや菌を外に漏らさず、ノロウイルスなどの感染症防止につながるという。このトイレは、建設資材を販売する日本セイフティー(東京・千代田区)が介護用トイレとして開発したもので1台約30万円。今回の震災では屋内に設置された避難所もあり、暗い夜も外に出ることなく、安心してトイレに行くことができると好評。洋式便座なので足腰の悪い高齢者も安心して使うことができ、テント内に設置することで、間仕切りの問題も解決した。被災者からは「密封されて臭わないのがありがたい」という声が届いている。

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自動ラップ式のラップポン

ラップポンは、臭わない、掃除の手間がかからない、水のいらない自動ラップ式トイレです。

段ボールトイレ、椅子代わりにも

 水を使わない簡易トイレが歓迎されるのには、理由がある。熊本地震の被災地では、上下水道の復旧が進んでおらず、多くの避難所は仮設トイレを設置して対応している。しかし、仮設トイレは狭く、電気もなく暗い。多くは和式だが、足腰の悪い高齢者が段差につまずいて転倒するリスクもあるからだ。排せつ物を定期的にバキュームカーでくみ取る必要があるが、それが追い付かず、結果的に臭いが充満したり、許容量を超えてトイレが使えなくなったりすることもある。仮設トイレ以外にもトイレを確保する必要から、内閣府も4月17日から25日にかけて簡易トイレ約20万個を被災地に送っている。
 奈良県葛城市の「高木包装」は、熊本県宇土市の避難所に段ボール製簡易トイレを1000個分届けた。幅26センチ、奥行き33センチ、高さ30センチの箱型で、給水シートをいれた巾着袋のような袋を組み合わせる。使用後に口を縛れば中身が漏れず、入れ替えれば何度でも使用できる。
 自社のトラックで避難所に簡易トイレを配送。トイレは椅子としても使われ、避難していた高齢者からは「今までは床に座っていて足腰が痛んでいたが、椅子代わりにもなってとても便利」と重宝がられている。

トイレの賢い使い方

 東京都が発行しているパンフレット「東京防災」には、災害時のトイレに関する知恵が紹介されている。
 トイレが排水できる場合は、洋式、和式ともにバケツ1杯の水を勢いよく流せば処理できる。トイレットペーパーはつまりの原因になるので流さないほうがよい。水を流す際、勢いをつけすぎて、便が飛び散らないように注意する。排水できない場合は、便座を上げ、ポリ袋を二重にしてかぶせる。その中に細かくちぎった新聞紙を敷き詰めて用を足す。段ボールやポリバケツなどを使って「簡易トイレ」をつくる場合も、二重にしたポリ袋で段ボールなどを覆い、中に細かくちぎった新聞紙を入れる。用を足した後はポリ袋で包んで捨てればよい。猫砂や凝固剤があればポリ袋の中に入れるとより効果的だ。

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東京都防災ホームページ

これまでも東京都防災ホームページ上で閲覧可能だった「東京防災」の電子書籍について、下記のとおり、電子書店での取扱いが開始されます。

劣悪なトイレ事情が引き起こす病気

 トイレの環境が悪いと、様々な病気を引き起こすきっかけになる。水分を控えてトイレに行かないようにすると、脱水症状を引き起こし、エコノミークラス症候群につながる。飲食を控えて栄養失調を起こすこともある。不衛生だと感染症が発生しかねない。南阿蘇村の避難所では4月23日、25人がノロウイルスに集団感染した疑いがあることが判明していた。県内各地の避難所でもノロウイルスの感染が確認されている。ノロウイルスは感染者の排せつ物に含まれており、不衛生なトイレから集団感染することが多い。不慣れな避難生活でこれらの病気に感染すると、重症化したり最悪の場合死につながったりすることもある。トイレ事情が命を左右することもあるのだ。
簡易トイレ

適切に管理する工夫を

トイレ掃除
 内閣府は4月、東日本大震災など過去の災害からの教訓を踏まえ、バリアフリーを含んだ非常用トイレの備蓄や、男女別にトイレを設営したりするといった、「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」を公開した。災害時に必要なトイレの種類や数を計算式で確認できるほか、女性や高齢者にどのような点で配慮すればよいのかなどが紹介されている。
 東北大学の賀来満夫教授(感染制御学)は「熊本地震の避難所では、トイレ回りを丁寧に掃除しようという意識が強く、これまでのところ大規模な集団感染はほとんど起こっていない。ただ、これから夏が近づくにつれ、トイレでハエや蚊などの虫が発生したり、トイレを感染源とした食中毒が広がったりするリスクが高まっていく。ポスターを参考に、正しいトイレ掃除の方法を実践してほしい」と呼びかけている。

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内閣府

避難所の生活環境対策 – 避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針(平成28年4月改定)



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