近づく運動会…かけっこ 短期間で速く
秋の運動会シーズンが近づいてきた。リオデジャネイロ五輪の陸上男子400メートルリレーで日本が初の銀メダルを獲得した今年は、走る競技がいっそう盛り上がりそうだ。短期間で走力が上がるコツを身につけ、本番に臨みたい。
「肘をしっかり曲げ、腕を振ろう」「脚はもっと高く」
東京都内の運動施設で8月末、小学5年生と3年生の兄弟がかけっこの練習に励んでいた。体育の家庭教師派遣などを手がける「スポーティーワン」代表、水口高志さんによる4回の短期レッスンだ。
最終回のこの日は、走る時のフォームを確認後、50メートル走のタイムを測定。2人ともレッスン開始時から約0・5秒短縮し、「自信がついた。10月の運動会でも頑張れそう」と顔をほころばせた。
こうした個人レッスンは、運動会の前になると人気が高まるという。水口さんは「速く走るには走り方が大事。腕と脚を意識するだけで見違えた走りになり、すぐにタイムが上がることも多い」と話す。
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まず、腕の振り。肘は90度に曲げ、わきを締めてまっすぐ大きく振る。腕を後ろに振る際は、肘の位置が肩の高さに届くようなイメージで、引けるだけ引くのがポイントだ。反動がついて、前に出す際もスムーズに動き、振りが大きくなるという。
脚は、膝を90度に曲げて高く上げ、地面を強く蹴り上げる。蹴った足のかかとがお尻につくよう意識すると、歩幅が大きくなり、スピードに乗れる。両手の甲をお尻に添え、跳ねながら両足のかかとを交互にあてる練習が効果的だ。
ゴールまで前傾姿勢で走り、目線はゴールの先にする。
タイムの短縮には、スタート時の姿勢も意識したい。
子ども向け体育教室「ナチュラルキッズスマイル」代表で、「かけっこが速くなる 親子で楽しく1週間おうちレッスン」を監修した野村朋子さんは、足の前後の間隔を靴一つ分か一つ半空けて立つよう指導する。「後ろに下げる脚は、まっすぐ立って体を前に倒した際、転ばないようにとっさに出る方。重心は前の脚にかけると、スムーズに力強く飛び出せる」と助言する。
スタートの合図に機敏に反応するため、手をたたいたら即座に立ち上がるなどの音遊びで、集中力を養おう。
運動会当日は、かかとが固定され、指のつけ根付近がしなやかに曲がる靴を履く。スタートラインに立ったら、好きなヒーローや新幹線、誰かが追いかけてくる様子などをイメージしよう。「小学校低学年ごろまでは、ヒーローなどの気持ちになるだけで如実に速くなります」と野村さん。
親はプレッシャーをかけず、「思いっきり走って」などと声をかけたい。結果が振るわなくても、「格好良かった」「力いっぱいできたね」と、良かった点をほめる。
野村さんは「どんなに短い期間でも、練習して臨んだ結果は、練習前より良くなっているはず。いい意味での競争心、向上心を芽生えさせるきっかけにしてほしい」と話す。
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