<東京都>学校教育に関する知識を求める 公認心理師の検討会で
第2回公認心理師カリキュラム等検討会が10月4日、都内で開かれた。
事務局は「公認心理師のカリキュラム等に関する基本的な考え方について」の案を提示。構成員らは、
▽カリキュラム検討に対する考え方
▽公認心理師に求められる役割、知識および技術
▽検討に当たっての留意点――について議論した。
同案には、教育分野で求められるものとして、「発達障害を含む障害のある児童生徒等に係る対応等を行うこと」との例示がされた。これに対し、構成員からは「『対応を行う』という広い意味で捉えられる文言ではなく、「心理検査の実施」など具体的な内容を盛り込む必要がある」との意見が出た。
心理職が行う心理検査では、子供の特性を分析できる。障害のある子供への個別の指導計画では、分析された特性を参考に作成している教員が多いという。
他の構成員からは、スクールカウンセラーの記述に対し、「将来的には教職員になるという動きがあるので、『チーム学校の一員』という文言を入れてもらいたい」との要望があった。
教育分野では、学校等と密に連携した活動が想定される。そのため、公認心理師には、学校教育に関する一定の知識が必要とされた。また保健機関や医療機関との連携を踏まえ、どの分野においても、一定の医学知識を備える必要があるとの文言も。
同検討会で多くの指摘があったのは、福祉分野に関して。「児童福祉施設等」との記述について、「『発達児施設を含む』との記述を入れた方が良い」との声が聞かれた。
同分野で明記されたのは子供への対応だけだが、高齢者や障害のある人への対応も盛り込むよう求める構成員もいた。
一方、公認心理師のカリキュラム等検討について、ワーキングチームの設置が決まった。大学での必要な科目数の決定に当たり、専門的な議論を行っていく。議論された内容は、同検討会へ提示される。
「平成26年度厚生労働科学特別研究事業 心理職の役割の明確化と育成に関する研究」によると、心理職の勤務者数(推計)が最も多いのは保健医療分野で2万4506人に上り、全体の39%を占める。次いで教育分野が1万7170人(28%)、福祉分野は1万600人(13%)。
国家資格である公認心理師とは、心理的支援を要する人に対して、心理状態の観察や分析、相談および助言を行う人。医師や教員、その他の関係者との連携が義務付けられている。
[adrotate group=”7″]
[adrotate group=”8″]