マダニ媒介の感染症の治療薬 初の臨床研究へ
マダニにかまれることで起きる感染症SFTS=「重症熱性血小板減少症候群」の治療薬を開発しようと、国立感染症研究所が今月から初の臨床研究を始めることになりました。
SFTS=「重症熱性血小板減少症候群」はマダニがウイルスを媒介することで起きる感染症で発熱や腹痛、それに意識障害などを引き起こします。
特別な治療薬はなく、国内では、3年前に初の患者が報告されて以降これまでに185人が発症、47人が死亡しています。
今回、初となる臨床研究には、国立感染症研究所のほか、愛媛大学など、全国35の医療機関が参加し、SFTSの患者に対し、インフルエンザの治療薬として条件付きで承認されている「アビガン」を投与する計画だということです。
臨床研究は、患者20人を目標に今月中にスタートし、効果や安全性を調べることにしています。
国立感染症研究所の西條政幸部長は「どのくらいの時期までに薬を投与すれば効果があるのかなど、細かな検証も含めて薬の有効性を確認していきたい。できるだけ早く実用化できるように研究を進め、少しでも亡くなる患者の数を減らしたい」と話しています。
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