肉や魚「微凍結」、野菜の栄養アップ 高機能冷蔵庫が続々…共働き、まとめ買いニーズに照準
増える共働き世帯に照準を合わせ、食品の保存性を高めた冷蔵庫の新製品が相次いで登場している。休日のまとめ買いに対応し、おいしさをいかに保つかを重視。各社は「1週間」の鮮度保持や、野菜の栄養素アップといった独自機能を競っている。
「まとめ買いした食材の鮮度を保つチルド室や、高い技術を搭載した野菜室が注目されている」。ヨドバシカメラマルチメディア梅田(大阪市北区)家電コンシェルジェチームの野村亮介さんはそう指摘する。
背景にあるのはライフスタイルの変化だ。内閣府によると、共働き世帯数は平成9年に専業主婦世帯数を上回り、27年にはその差が1・6倍に広がった。
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パナソニックが昨年、週1回以上料理をする人に行った調査によると、40・8%が「食材を週末にまとめ買い」し、63・1%が「食材を長持ちさせる方法に関心がある」と答えた。
そこで同社は新商品11機種に、肉や魚をマイナス3度に急速冷却して酸化を防ぐ「微凍結パーシャル」機能を搭載。「おいしく食べられる保存期間を、従来モデルの5日から7日に伸ばした」(植村英雄冷蔵庫事業部長)という。
「野菜の栄養素アップという付加価値で買い替え需要に応えたい」と話すのは三菱電機の足立威則・冷蔵庫製造部長だ。8月に発売した「置けるスマート大容量」8機種の野菜室に3色LEDを搭載した。太陽光を再現して野菜の光合成を促す。実験では、キャベツは3日間でビタミンCが18%増加したという。
シャープは、野菜に「低温ストレス」を与えると、でんぷんが糖に分解されて甘みを増すことに着目。「プラズマクラスター冷蔵庫」の新商品4機種は、野菜室に冷凍室の冷気をめぐらせ、温度を2~5度に保つ機能を備えた。ニンジンの糖分は1週間で100グラム中6・6グラムから7・9グラムに増えたという。
日本電機工業会によると、国内の冷蔵庫販売台数は年間400万台程度でほぼ横ばい。シェア拡大にはライバルにない機能のアピールが求められている。
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