<知っ得栄養学> 胃を守り体調を整える
新緑がまぶしい季節になりました。毎年この時期になると、母が春キャベツにキュウリやニンジン、カブを入れて彩りの良い浅漬けを作り、おいしく食べていたのを思い出します。地元を離れてからは、その機会も少なくなりました。
手軽なキャベツの浅漬け
今回は、簡単に作れるキャベツの浅漬けについてです。スポーツ好きの方も、体調を整えるために参考にしていただければと思います。
浅漬けは塩分の働きで水分が抜け出ていくので、サラダよりも多くの野菜をとることができますし、味もしみ込みやすくなります。さらに、腐敗菌の増殖を抑えるため長持ちします。
この時期の春キャベツは葉の緑色が濃く、緩く巻いているのでやわらかいのが特徴です。栄養素は、ストレスから体を守るビタミンCや、他の野菜にあまり含まれていないビタミンUがたっぷり。ビタミンUはキャベジンとも呼ばれ、胃の粘膜を丈夫にしたり、胃炎や胃潰瘍を予防したりする効果があるため、医薬品にも利用されています。
塩分が気になるかもしれませんが、キャベツやキュウリには塩分を体外に排出するカリウムが豊富に含まれており、高血圧の予防や改善に役立ちます。また、ユズや昆布、シソの葉などを加えると香りや風味を効かせることができるので、塩分が抑えられます。
野菜に含まれるビタミンCは水や熱に弱く、壊れやすい性質があります。漬物も食べ切れる分量をつくった方が、ビタミンCの減少を防ぐことができます。
手軽にできる浅漬けで、春野菜の食感を楽しんでみてください。(陸上元五輪代表、管理栄養士・高橋千恵美)
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