<兵庫県>ランナー栄養補給「昆虫が最適」 14日体験催し
ランニングの栄養補給に昆虫を食べるユニークなイベントが14日、兵庫県伊丹市立図書館ことば蔵(宮ノ前3)で開かれる。ことば蔵は本好きが集まって走る催しを定期的に開いており、その一環。昆虫食は市昆虫館(昆陽池)が提供する。担当者は「昆虫食には走るのに必要な栄養素が豊富。知的好奇心の旺盛なランナーはぜひ参加を」とアピールしている。(土井秀人)
「昆虫食に含まれているタンパク質は、エネルギー補給や筋肉の基となる。実はランナーの補給食にぴったりなんですよ」。ことば蔵職員の小寺和輝さん(29)が笑う。イベントは市内で9日から始まった催し「鳴く虫と郷町」の関連企画で、ウルトラマラソンの完走経験もある小寺さんが発案した。
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昆虫館は過去に企画展を開くなど昆虫食に詳しく、今回はイナゴのつくだ煮や蜂の子を提供する。コースは、ことば蔵と昆虫館を往復する約8キロ。折り返し地点で昆虫食が振る舞われ、エネルギーを補給する。
図書館×ランナー
図書館とランナー。一見、関わりのなさそうな二つをつないだのは、ことば蔵が2013年8月につくった「ことば蔵ランナーズクラブ」だった。
設立のきっかけは、小寺さんがことば蔵に赴任して気付いた意外な光景。ランニングウエアの利用者が多く、声を掛けると、ランニング中に本の返却をしたり、図書館で休憩をしたり。「本好きのランナーって結構いるんだな」。ことば蔵のPRも兼ねてクラブを立ち上げた。
活動は月1回で、今では約20人が参加する。1時間ほど走りながら「思わず走りたくなるような本」などについて語り合っている。
昆虫館×昆虫食
昆虫食に大きな注目が集まったのは、13年のことだった。国連食糧農業機関(FAO)が将来の食糧問題の対策として、昆虫食の可能性を報告書にまとめた。タンパク質や鉄分など栄養価が高く、世界ではアジアやアフリカ、南米など約20億人の食生活の一部となっているという。
昆虫館の企画展「昆虫食~ごはんやでぇ」はその6年前、2007年に開催。企画した坂本昇副館長(44)は「ある地域では昆虫食は日常のこと。自然と向き合う暮らしを知る手がかりにと開いたが、当時は今ほど注目されておらず、同僚にも『気持ち悪い』『そんなの見に来る人いるの』と言われたほど」と振り返る。
展示では調理済みのガの幼虫やクモ、カメムシなど約30種類を紹介。「イナゴのつくだ煮」と「イカナゴのくぎ煮」の栄養価などを比較するコーナーも設けた。
展示は新聞やテレビで話題となり、3カ月の期間中、約2万8千人が入館。企画展の論文は今年、日本展示学会賞論文賞に選ばれた。坂本さんは「昆虫は採取して楽しく、食べておいしく、五感で楽しめる。もっと魅力を発信したい」と話す。同館には昆虫食の常設コーナーがあるが、設備改修工事のため来年1月1日まで休館中。
14日の催しは20歳以上で約8キロが完走できる人が対象。ことば蔵TEL072・784・8170
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