<熊本地震> 避難生活 栄養摂取に工夫 生鮮品不足 缶詰や乾物を活用

熊本地震から間もなく2週間。長引く避難生活を乗り切るには限られた食料品や物資を生かすノウハウが要る。避難生活での栄養管理について専門家の意見を聞いた。

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西日本新聞

避難生活 栄養摂取に工夫 生鮮品不足 缶詰や乾物を活用

 「食料品が安定的に供給されるまで、ビタミン剤など補助食品も活用してほしい」。福岡県栄養士会長の大部(おおべ)正代・中村学園大教授(臨床栄養学)は呼び掛ける。交通インフラが寸断され、支援態勢が整わないうちは、食事がパンやおにぎりなど炭水化物に偏りがちだ。まずはこうした急場をしのぐことを考えよう。

 手早くエネルギーを補給できる菓子パンや菓子類だが、長期間の避難生活では過剰摂取に注意が必要だ。大部さんは、欠乏しやすい栄養素として「ストレスが増えるとカルシウムやビタミンCを消耗する」として、幼児用ビスケットや野菜ジュースなどでの補給を勧める。塩分の取り過ぎに気を付けることを前提に「不足しがちな栄養が添加されたカップ麺などもある」という。
カップラーメン
 野菜、肉などの生鮮食品は手に入りにくいため、タンパク質、ビタミン、ミネラル、食物繊維が不足しがちだ。保存の利く缶詰、ワカメやいりこなどの乾物、水に浸せば食べられる切り干し大根などを活用したい。手に入れば、バナナやミカンなどそのまま食べられる果物も役に立つ。
 注意してほしいのは食中毒。炊き出しの食事は残さず食べ切り、残した物を時間を置いて食べるのは避ける。避難生活では体力が低下、食中毒を起こしやすくなっているからだ。

 大部さんは野菜の供給について「真空パックによる避難所への配送が実現できないか」と提案する。真空パックの製造装置がある施設や企業の協力を得て、寄付された生野菜を加工して被災地に運ぶ態勢が構築できれば「避難所で調理する手間も省け、パックを開けて食べられる。衛生面の問題も少ない」と話している。
 同会の辻野初子常任理事は東日本大震災から約1カ月半の2011年4月下旬、宮城県石巻市の被災地を訪れ、約1週間、避難所を巡回した。高齢者や子どもと面談しながらレトルトのおかゆやゼリー状の栄養剤などの支援物資を提供する中で、避難者それぞれに合わせた食事支援の必要性を痛感したという。「嚥下(えんげ)困難な高齢者向けには、のみ込みやすくするためのとろみ剤を入れるなど炊き出しをする側の配慮が欲しい」と要望する。

 卵や牛乳、小麦などにアレルギーのある被災者向けに無料で対応食を送る団体もある。東京のNPO法人「アトピッ子地球の子ネットワーク」=03(5948)7891=に、電話で申し込めば宅配便か現地のボランティアが自宅や避難先に直接届ける。熊本地震の被災地にもレトルトのカレーやハンバーグ、粉ミルクなどを送ったという。

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NPO法人「アトピッ子地球の子ネットワーク」

NPO法人 アトピッ子地球の子ネットワークは、アトピー・アレルギー性疾患がある患者とその家族を支援し、人と自然が共生し多様な価値を認めあい、誰もが共に生きることができる社会をつくりたいと考えています.

炊飯 ポリ袋を使って

 カセットこんろなどで湯を沸かして、炊きたてのご飯が食べられる方法もある。別府大(大分県)の立松洋子教授(栄養学)が提案するポリ袋調理法だ。
 米と、その1・2倍の容量の水をポリ袋に入れ、空気を抜いて口をしっかり縛る。鍋の底に触れないように縁に渡した箸に袋をつるしたり、底に皿を置いたりして沸騰した湯で20~30分ゆでる。火を止めて約10分蒸らして出来上がり。食器がなくても袋のまま食べられる。湯を他に利用できるメリットもある。
 ポリ袋は、スーパーなどで生鮮品を入れるときなどに使う半透明の物でいい。立松さんは「空気をしっかり抜くのがこつ。米を少なめにしてキノコや豆類などを入れれば栄養のバランスも取れる」と話している。


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