子どもの貧困 実態把握進まず 九州は全市町村の4%

子どもの貧困を巡り、九州7県の全233市町村のうち、実態調査を実施済みか年度内に実施予定の自治体(県把握分)は、わずか4%の10市町にとどまることが西日本新聞の取材で分かった。国は2014年施行の子どもの貧困対策推進法に基づき、自治体に地域の実態を把握し、対策を講じるよう求めているが、調査の費用や手法について他自治体の動向を様子見のところが多いためとみられる。地域の実情に応じて有効な対策を打つために、積極的な調査が求められる。

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西日本新聞

子どもの貧困 実態把握進まず 九州は全市町村の4%

費用や手法「様子見」も

 内閣府は「地域子供の未来応援交付金」を創設し、都道府県や市町村の調査費の4分の3を補助する。本紙が九州7県や県庁所在都市などに取材した結果、調査を実施済みや国に交付金を申請中など具体的な動きがある市町村は福岡、佐賀、長崎、宮崎4県の10市町のみ。熊本、大分、鹿児島3県はゼロだった。
子どもの貧困
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 10市町では、自治体内の小中学生や保護者に、収入や住環境、食生活、学習の状況などを聞く匿名のアンケートが主流だった。県庁所在地では福岡市が唯一、調査を実施。熊本市は本年度に予定していたが、熊本地震の発生で予算のめどがたたなくなり、実施を見合わせた。長崎市は「予算の問題もある」。鹿児島市は「国の動向を踏まえながら検討する」としている。
 福岡県によると、昨年度末に県内の60市町村に意向を尋ねたところ、半数以上が実態調査を「検討中」と回答した。佐賀県は「住民に近い市町が調査をして、地域の特性に合った施策に生かすことが必要。交付金を活用した調査を呼び掛けたい」としている。

 県レベルでは、長崎、大分両県が、所得が低いひとり親家庭に支給する児童扶養手当の受給世帯を対象に収入や就業形態、悩みなどのアンケートを実施。全国では、沖縄県は全国に先駆けて県内の困窮層の割合を示す貧困率を独自に調査した。大阪府は大阪市など13市町と連携し、小中学生の親子への大規模調査を実施。北海道は北海道大との共同調査で市部と町村部で貧困の状況にどのような違いがあるか分析する。川崎市はゲーム機の所有状況や外食の回数など生活実態も調べる方針だ。


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